工務店が抱える集客の3つの悩みと解決策を徹底解説!

この記事では、工務店が抱える集客の悩みを解決する具体的な方法を解説します。

すぐに実践できる戦略や成功事例を紹介しますので、ぜひご覧ください!

目次

工務店経営者が直面する3つの集客課題と解決のヒント

工務店の経営者にとって、集客は避けて通れない課題です。

「問い合わせが来ない」
「費用をかけても結果が出ない」
「口コミや紹介が増えない」

など、多くの経営者が同じ悩みを抱えています。こうした悩みを解決するためには、効果的な集客施策の検討や、ターゲット顧客へのアプローチ方法の改善が求められます。

まず、このような悩みを解決するためには、「現状を正確に把握すること」が重要です。

現状を理解することで、ターゲット層に合った戦略や具体的なマーケティング施策を見つけ、次に取るべき行動や具体的な対策が見えてきます。

以下では、工務店が直面する代表的な3つの集客の悩みについて詳しく掘り下げ、それぞれの現状を解説します。

  • 2,000枚のチラシが無駄に?見込み客を呼び込む戦略

「地域の住宅街にチラシを2,000枚配布したのに、1件も問い合わせがない…」

こうした声は、工務店経営者の間でよく聞かれる悩みの一つです。特に、リフォームや新築施工などを中心に展開する地域密着型の工務店では、見込み客の不足が経営の不安要素となっています。

例えば、地元住民に向けたチラシやSNSでの情報発信など、さまざまな施策を試みても、期待した成果が得られない場合があります。

ターゲット顧客への訴求が弱かったり、競合が多いエリアで目立つ工夫が足りなかったりすることが原因で、工務店の強みが伝わらないことも少なくありません。

このような状況が続くと、「何が間違っているのかわからない」「どこに力を入れればいいのかわからない」といった混乱や迷いを引き起こし、結果的に集客施策の見直しが遅れることがあります。

  • 広告費がかさむだけ…無駄をなくす集客施策とは?

「Google広告に毎月30万円使っているけど、問い合わせは月に数件。これじゃあ広告費の方が高くついてしまう」

広告は集客において重要な手段ですが、費用対効果が見合わないと感じている工務店は少なくありません。

例えば、リスティング広告に予算を割いても、クリックだけが増えて問い合わせに結びつかないケースがあります。

また、地域のフリーペーパーや新聞に広告を掲載しても、期待した成果が得られず、費用だけがかさんでしまう状況がよく見られます。

さらに、広告内容が顧客の具体的なニーズに合っていない場合、見込み客に響かないまま、競合他社のサービスに流れてしまうこともあります。

このような結果から、「広告にこれ以上費用をかけるのはリスクが大きい」と感じ、マーケティング手法そのものに疑問を持つ経営者も多いのです。

  • 口コミや紹介が減少する理由と今すぐ始める改善策

「昔は、口コミだけで毎月安定して仕事があったのに、最近は紹介が減ってきた」

このように、長年口コミだけで集客をしてきた工務店が、ここ数年で紹介件数の減少に悩むケースが増えています。

特に、地元で長く営業を続けている工務店では、「口コミで十分」と考えていたものの、顧客の紹介行動が減少し、集客に不安を感じるようになっています。

例えば、リフォームや新築案件が減少し、同じ顧客からのリピートが限られる状況では、口コミだけに頼る集客は難しくなります。

さらに、競合の工務店がオンライン施策を活用して認知度を高めている場合、差別化が図りにくくなることも課題の一つです。

「これまで通りの方法では、もう集客できないのだろうか?」という不安が、多くの工務店経営者の心に浮かびます。

口コミや紹介が減少していると感じたとき、新たな施策やターゲット分析を検討する必要性に迫られるのです。

 

工務店集客の失敗理由はここにある!4つの原因を解説

工務店が抱える集客の悩みには、それぞれ共通する原因があります。

問い合わせが来ない」「広告費用が成果に結びつかない」「口コミや紹介が減少している」といった問題は、すべて特定の要因に根ざしている場合がほとんどです。

この記事では、それらの原因を4つに分けて詳しく解説します。

ターゲットがぼやけた広告は効果ゼロ!工務店の訴求力を高める方法

昭和のように物が不足していた時代、多くの商品やサービスは、ターゲットを特に設定しなくても、情報を一方的に伝えるだけで売れることが一般的でした。

この時代は需要が供給を上回っており、広く情報を発信すれば自然と反響を得られる環境が整っていたのです。

しかし、現代は情報が過剰にあふれる時代へと変わりました。

顧客はインターネットやSNSを活用し、自ら情報を収集して比較検討し、最適な選択を行うようになっています。

そのため、単に情報を発信するだけでは顧客に届かなくなり、訴求力が失われるケースが増えています。

例えば、新築施工を主に手掛ける工務店が、リフォーム需要の高いエリアで広告を掲載しても、その内容がターゲットのニーズに合わなければ、問い合わせや資料請求といった反応を得ることはできません。

また、ターゲットを「地域の全住民」といった広すぎる範囲で設定すると、メッセージが曖昧になり、誰にも響かない広告やチラシになるリスクが高まります。

ターゲット設定の不備は、集客施策全体の基盤を揺るがす大きな原因となります。この問題がある限り、どれだけホームページやチラシの内容を改善しても、期待した成果を得るのは困難です。

手を広げすぎは逆効果!限られたリソースで成果を出す戦略

工務店の集客では、限られたリソースをどこに集中させるかが重要です。

しかし、多くの工務店が「あれもやらなければ、これも試さなければ」と複数の手段に手を出し、どれも中途半端で終わるケースが見受けられます。

例えば、チラシ、SNS、ネット広告、口コミのすべてを試みたものの、各手段に十分な時間や予算を割けず、いずれも思うような成果が得られないという状況です。

このように手を広げてしまうと、どの手段にも十分に力を注げず、結果として効果が薄れてしまいます。

また、「今の時代はオフラインとオンラインの両方を活用するべき」という情報に振り回されるケースも少なくありません。

一見正しいように思えるこの考え方に影響され、SNS運用や広告配信、地域イベント開催、WebサイトへのSEO対策など、多岐にわたる活動に手をつける。

しかし、いずれも継続的な取り組みには至らず、1年経っても具体的な集客基盤を構築できないという声が多く聞かれます。

価格競争に巻き込まれない!工務店のための差別化の秘訣

かつて、競合が少なかった時代には、特に差別化を意識しなくても集客ができていました。

地域に数えるほどしかない工務店が、顧客の需要を十分に満たしていたためです。どの会社を選んでも大きな違いがなく、自然と仕事が回ってきたのが当時の状況でした。

しかし、現在では状況が一変しました。

競合する工務店が増えただけでなく、大手のハウスメーカーやリフォーム会社が積極的に市場に参入しています。

その結果、顧客は「どの会社が良いのか分からない」という混乱に陥り、知名度や安心感のある大手企業に依頼するケースが増加しています。

こうした中で、「この会社にお願いしよう!」と顧客に選ばれるためには、他社とは違う明確な強みを打ち出す、的確な差別化が求められる時代となりました。

しかし、多くの工務店では「価格での差別化」や「独りよがりのアピール」といった誤った差別化をしてしまうことが少なくありません。

間違った差別化の例1:価格での差別化

価格で勝負をする差別化の代表例が、「地域最安値」を掲げるケースです。

この手法は短期的に顧客を呼び込める可能性がありますが、さらに安い価格を提示する競合が現れると価格競争がエスカレートし、自社の利益率を圧迫します。

最終的には、「価格が安いから選んだ」という顧客に対し、それ以上の価値を提供できずにリピートや口コミも期待できなくなります。

間違った差別化の例2:独りよがりのアピール

もう一つよく見られるのが、「独りよがりのアピール」です。

事例1:陳腐な表現に頼る
たとえば、「自然素材にこだわったデザイン性の高い家づくり」というアピールは一見魅力的に思えます。

しかし、同じような表現を多くの工務店が使用しているため、顧客にとっては「どこも同じ」に見えてしまいます。

結果として、「それなら知名度の高い大手に頼んだほうが安心」と判断されるケースが多いのです。

事例2:顧客のニーズを無視
ある工務店が「海外輸入の高級建材」を前面に押し出した広告を掲載したものの、エリアの顧客層は「ローコストでシンプルな家づくり」を求めている人が多数派でした。

その結果、広告は見向きもされず、問い合わせ件数はゼロ。顧客のニーズに応えるどころか、自社の自己満足に終わった典型例と言えます。

口コミが生まれない原因とは?工務店が見直すべき3つの要素

口コミや紹介は、これまで多くの工務店の集客を支えてきた手法ですが、近年その効果が薄れつつあります。

口コミや紹介が減少している背景には、以下の3つの要因が挙げられます。

1. 情報過多

インターネットやSNSの普及により、顧客が工務店を選ぶ際にアクセスできる情報量が飛躍的に増えました。

その結果、口コミや紹介だけに頼るのではなく、WebサイトやSNSのレビュー、検索結果に基づいて選ぶ傾向が強くなっています。

膨大な情報の中で、口コミの影響力が分散してしまうのです。

2. マス広告の影響

大手ハウスメーカーやリフォーム業者が展開するテレビCMや新聞広告などのマス広告が、地域の工務店の存在感を薄れさせています。

これにより、地域密着型の口コミの影響力が相対的に低下しているのが現状です。

マス広告の強力な影響を受けた顧客は、知名度の高い企業を優先的に選ぶ傾向があります。

3. 社会の変化

近年の社会的な変化も、口コミや紹介の減少に影響を及ぼしています。以下のような変化が挙げられます:

  • 近隣との人間関係の希薄化:顧客が隣人や知人と親密に接する機会が減り、工務店を紹介する文化そのものが弱まっています。
  • 共働き家庭の増加:忙しい家庭では、知人と工務店情報を交換する余裕がなくなりがちです。
  • 二世帯・三世帯住宅の減少:家族内で工務店の紹介が行われる機会が減少しています。

これらの要因が重なり、口コミや紹介に頼った集客手法が機能しづらくなっています。

工務店の悩みを解決!効果的な集客方法の紹介

工務店が抱える集客の悩みを解決するためには、ターゲット層のニーズを深く理解し、自社の強みを明確にした上で、オンラインとオフラインの適切な手段を活用することが重要です。

以下では、具体的な方法を5つに分けて解説します。

情報過多の時代に選ばれる!工務店が取り組むべき情報発信

現代の市場では、競合する工務店が次々に増え、大手リフォーム会社やハウスメーカーも積極的に参入しています。

その結果、顧客は膨大な情報にさらされ、どの会社を選ぶべきか迷ってしまうのが現状です。

このような環境で、「◯◯地域で新築を考えている人」といった漠然としたターゲット設定では、顧客にスルーされてしまいます。

「ペルソナ」から「実在する人物」へ

効果的な集客の鍵は、「1人の特定したターゲット」に絞ることです。

マーケティングを勉強している方なら、「ペルソナ」という言葉をご存知かもしれません。

これは、対象となる人の年齢や性別、生活状況などを具体的にイメージする手法です。

たとえば、「小学校に近い場所で、子どもの成長を見据えた家づくりを考える30代の共働き夫婦」というペルソナを設定すれば、ある程度ターゲットが明確になります。

しかし、この手法だけでは十分ではなくなっています。

その理由は、多くの工務店が同様の手法を取り入れているためです。

多くの企業が似たようなペルソナを設定してしまい、結果的に「他社と同じターゲットに向けた一般的なメッセージ」に埋もれてしまうからです。

では、どうすれば顧客の目を引けるのでしょうか?

答えは、「実在する人物」をターゲットに設定することです。

実在する人物をターゲットに設定する理由

ペルソナを設定すると、自分の都合の良い理想像を作り出してしまうことがあります。

その結果、ターゲットが架空の存在となり、現実の顧客のニーズや感情から乖離してしまいます。

一方で、実在する人物をターゲットに設定すれば、リアルな課題や感情に基づいた具体的な情報発信が可能になります。

たとえば、「子どもの咳が止まらない古いアパート。このままでは健康が心配で、家探しを真剣に始めた」という背景を持つ実際の顧客像を想定すれば、より共感を引き出すメッセージを作ることができます。

ターゲットの「感情」を理解する

もう一つ重要なポイントは、ターゲットの感情を深く理解することです。

住宅購入やリフォームは、単に物理的な必要性だけでなく、大きな感情の動きによって決断されることが多いのです。

たとえば、以下のような感情がきっかけになることがあります:

  • 不安:「このままでは健康に悪影響が出そうで心配だ」
  • 困惑:「どこに頼めばいいのかわからない」
  • 憧れ:「子どもが安心して遊べる庭付きの家が欲しい」

こうした感情に寄り添う内容を発信することで、オンラインでもオフラインでも、他社との差別化を図ることができます。

価格競争に巻き込まれない!工務店のための差別化戦略

価格で差別化を図ることは、一見簡単に思えるかもしれません。なぜなら、顧客は常に価格を気にしており、「安い方が良い」という心理が働くからです。

しかし、この戦略には大きな落とし穴があります。

価格競争のリスクと限界

まず、大手のハウスメーカーやリフォーム会社のような資本力のある企業には、価格で対抗するのは非常に難しいのが現実です。

大手は大量仕入れや効率的な施工プロセスによって低価格を実現しています。

これに中小規模の工務店が追随すると、利益が圧迫されるだけでなく、サービスや施工の質を維持することも難しくなります。

さらに、価格を前面に出した場合、顧客の選択基準が「価格だけ」になりがちです。

その結果、顧客はより安い選択肢を求めて簡単に他社へ流れてしまい、リピーターや口コミによる集客が難しくなります。

長期的な集客戦略としては非常にリスクが高いと言えます。

よくある差別化ポイントの限界

価格以外で差別化を図る際に、よく挙げられる施策には以下のようなものがあります:

  • 施工中の進捗状況を定期的に報告する
  • 施工後のアフターフォローを保証する
  • 自然素材を使用する
  • ペットと快適に暮らせる設計を取り入れる
  • 高品質なデザインを提供する
  • 地元の素材を活用する
  • 空気清浄システムを採用する

これらはどれも重要な取り組みですが、多くの工務店が実践しているため、顧客から見れば「どこも似たようなことをやっている」と感じられ、埋もれてしまいます。

独自商品開発だけでは不十分な理由

では、「独自の商品を開発すれば差別化になるのでは?」と思うかもしれません。

確かに、一時的には効果があるでしょう。

しかし、独自の商品やサービスは競合にすぐ真似されてしまうリスクがあります。

結果的に独自性が失われ、価格競争に巻き込まれるという悪循環に陥る可能性が高いのです。

中小企業が取るべき差別化戦略:感情理解にフォーカス

価格やモノ、コトを追求する競争は、大手の資本力には太刀打ちできません。

だからこそ、中小企業が注力すべきなのは「ヒト」による差別化です。

具体的には、顧客の感情を深く理解し、それを基にした情報発信や提案を行うことが鍵となります。

親身に耳を傾けることが集客に影響する理由

顧客が本当に求めているのは、「自分の気持ちを理解してくれる工務店」です。

感情理解を通じて顧客の悩みや期待に寄り添う姿勢は、集客に次のような影響を与えます:

  1. 顧客の目を引く情報発信ができる
    感情に寄り添ったメッセージは、広告やチラシ、SNS投稿で顧客の目を止めるきっかけになります。
  2. 他社との差別化ができる
    「どこの工務店も同じ」に見える中で、顧客が「ここは自分のことを分かっている」と感じることで選ばれやすくなります。 
  3. 信頼の第一歩を築く
    顧客の感情に共感することで、単なる「売り込み」ではない印象を与え、信頼を得ることができます。

感情理解を基にした情報発信がもたらす差別化

感情理解を基にしたヒアリングは、「自分のニーズを本当に分かってくれる」と顧客に感じさせるための第一歩です。

そして、このヒアリングで得た顧客の本音をオンライン施策(SNS投稿、ホームページ)やオフライン施策(チラシ、地域イベント)に反映させることで、効果的な差別化が可能になります。

「この会社は私の気持ちをよく分かっている!」と思わせる情報発信ができたとき、それはまさに価格に頼らない差別化戦略が成功した瞬間です。

口コミが自然に増える!工務店が実践すべき3つの仕組み

口コミや紹介は、工務店の集客において非常に強力な武器です。

信頼できる第三者からの評価は、どんな広告よりも顧客の心に響きます。

しかし、自然発生的な口コミや紹介に頼るだけでは、安定した集客を実現するのは難しい時代になっています。

だからこそ、口コミや紹介を積極的に生み出す仕組み作りが必要です。

自然発生的な口コミに頼る限界

かつては、地域密着型の工務店が存在するだけで口コミが広まり、新規顧客を呼び込むことが可能でした。

しかし、現代では次のような背景から、口コミの自然発生が難しくなっています:

  • 地域のつながりの希薄化:隣人同士の交流が減少し、情報を共有する場が失われています。 
  • 共働き世帯の増加:多忙な生活の中で、工務店の話題を家族や友人と共有する余裕がありません。 
  • 情報過多:インターネットやSNSが普及し、口コミ以外の情報源が豊富にあるため、口コミの影響力が分散しています。

これらの要因に加え、多くの工務店がこうした現状からこのように考えます。

「口コミや紹介は美容室や整体のようなリピート性の高い商品に向いているもので、新築やリフォームといった高額商品には出ない」

この考えが口コミが生まれにくい原因となっています。

口コミと紹介を増やすための一般的な施策

口コミや紹介を増やす施策として、よく挙げられるものには以下があります:

  • 質の高い仕事を提供する
  • きめ細やかなフォローアップを行う
  • 完成記念の写真や花束を贈る
  • 紹介特典としてギフトカードや商品券を提供する

これらは顧客が「感動」や「満足」を感じるきっかけとなり、口コミや紹介を生む可能性があります。

しかし、それだけでは不十分な場合が多いのも事実です。

なぜフォローや特典では口コミ紹介は生まれないのか?

  1. 質の高い仕事が「当たり前」になっている
    多くの工務店が高品質な施工を基本としているため、顧客にとって特別感が薄れています。
    「良い仕事をするのは当然」という認識が広まり、他社との差別化につながりにくいのです。
     
  2. フォローアップや贈り物の効果が一時的
    フォローアップやギフトの提供は、顧客に好印象を与えるものの、持続的な関係構築や口コミには結びつかない場合が多いです。
    これらの施策はあくまで「点」の接触に留まり、「線」で顧客とのつながりを作るには不十分です。
     
  3. 紹介特典が「売り込み」と受け取られることもある
    紹介特典を提供することは、場合によっては「紹介を強要されている」と感じさせ、逆効果になることもあります。
    顧客が本当に信頼しているから紹介する、という自然な流れが阻害される可能性があるのです。

口コミと紹介が劇的に増えた方法:仕事抜きのアプローチ

では、どのようにして口コミと紹介を増やせるのでしょうか?

その答えは「仕事抜きのアプローチ」にあります。具体的には以下のような行動が有効です:

1. 目的を外した訪問

通常、「アフターメンテナンスでお伺いしました」と目的を伝えるところを、「奥さんの笑顔が見たくてお伺いしました」と言い換える。

このような親しみやすいアプローチが、顧客との心理的距離を縮めます。

2. ちょっとした贈り物

「親が家庭菜園をしていて、きゅうりがたくさん取れたのでどうぞ」と、何気ない贈り物を届けることで、「この人は仕事以外でも私を気にかけてくれる」と思わせることができます。

3. たわいもない会話

「妻はラーメンは味噌派、私は醤油派で大論争になったんですけど、ご主人はどちら派ですか?」といった日常的な話題で親近感を築くことで、仕事とは別のつながりを感じてもらえます。

「相談されやすい人」になる重要性

口コミや紹介を生む鍵は、顧客に「相談しやすい」と思われる存在になることです。

多くの人は「相談すると注文しなければならないのでは」と気遣い、相談そのものをためらいます。

しかし、頻繁に仕事抜きのアプローチを行うことで、顧客にとって気軽に相談できる相手になります。

ここで重要なのは、「知識が豊富だから相談されるのではない」という点です。

顧客が本当に求めているのは、知識量ではなく「話しやすさ」や「親しみやすさ」です。

知識が生かされるのは、その次のステップです。

最初から知識を披露してしまうと、「売り込み」と受け取られ、逆効果になることがあります。

まずは、相談しやすい雰囲気を作ることが大切なのです。

なぜこれが口コミを生むのか?

「仕事抜きのアプローチ」は、顧客との関係性を深めるだけでなく、「この工務店は他と違う」という印象を強く植え付ける力を持っています。

このアプローチが口コミを生む理由は、顧客の感情や行動に直接働きかける効果にあります。

1. 感情に訴求することで記憶に残る

多くの顧客は、工務店と関わる際に「仕事」の話が中心になることを当然だと思っています。

しかし、仕事に直接関係のない話題や行動(たとえば、季節の野菜を渡す、日常の話題で盛り上がるなど)は予想外であり、新鮮な驚きを与えます。

この「意外性」や「親しみやすさ」が顧客の心に強く残り、「他とは違う特別な工務店」という印象を生み出します。この感情的なつながりが口コミの原動力になります。

2. 顧客が「自分事」として共有しやすくなる

人は、自分が体験して良かったことを他人に共有したくなる生き物です。

「この工務店は家のメンテナンスだけでなく、私たちのことを気にかけてくれる」という体験は、顧客にとって「自分だけの特別な出来事」として感じられます。

この個人的なエピソードが共有されることで、口コミが生まれます。

3. コミュニケーションの力で信頼を築く

多くの工務店が売り上げを上げることに躍起になり、たわいもない話の重要性に気づいていません。

しかし、こうしたコミュニケーションが顧客に与える影響は非常に大きいのです。

例えば、ある職人が新米ながらもマメに顧客に確認を取る姿勢を続けていたところ、顧客から「この職人さん、いい仕事をするわね」と評価されました。

実際の仕事のクオリティだけでなく、コミュニケーションが顧客の認識に影響を与える典型的な事例です。

4. 顧客が「勧める理由」を持てる

「良い家を建ててくれる」というだけでは、顧客が他人に勧める際の具体的な理由としては弱いかもしれません。

しかし、「親しみやすくて話しやすい人がいる」「普通の工務店とは違う気遣いがある」といったエピソードが加わると、顧客は自信を持って知人や友人に勧めることができます。

結果的に、口コミが発生しやすい環境が生まれます。

クライアントの実例

実際、あるクライアントがこのアプローチを採用したことで、口コミと紹介による売り上げが全体の20%から1年で70%にまで増加しました。

この成功の鍵は、「仕事を超えた人間的な関わり」を通じて顧客に信頼され、他者に話したくなるエピソードを生み出したことにあります。

ホームページが営業マンに!地域密着型工務店のオンライン集客法

オンライン施策は、地域密着型の工務店が新規顧客を獲得するための有力な手段です。

しかし、多くの工務店が「ホームページを作れば自然と集客できる」「SNSを使えばすぐに問い合わせが増える」と誤解し、成果が上がらないケースが多く見られます。

ここでは、工務店社長が陥りやすい間違いを挙げ、それを解決する具体的な方法を紹介します。

地域密着型SEOでホームページを最大限に活用する

ホームページを活用する必要性

「今どき、ホームページなんて誰も見ないんじゃないか?」と思う工務店の社長もいるかもしれません。

しかし、現代では多くの顧客が、工務店を選ぶ際にインターネットで情報を調べています。

特に、地域密着型の工務店を探す際には、「〇〇市 工務店」や「〇〇町 リフォーム」といったキーワードで検索することが一般的です。

ホームページは、単なる名刺代わりではありません。

地域の顧客にとって、最初に接触する「営業マン」としての役割を果たします。

しかし、ただホームページを作るだけでは集客につながりません。重要なのは、ターゲットとなる顧客にあなたのホームページを見つけてもらうことです。

例えば、顧客が「〇〇市 工務店」と検索したとき、あなたのホームページが検索結果の上位に表示されなければ、存在しないのと同じです。

この課題を解決するのがSEO(検索エンジン最適化)です。

SEO対策を行うことで、地域の顧客が探している情報に的確に応え、検索エンジンからのアクセスを増やすことが可能になります。

しかし、「どうすれば検索結果の上位に表示されるのか?」といった疑問や、「一生懸命SEO対策をしているが、なかなか上位に上がらない」という声を多く耳にします。

上位表示が難しい原因として、次のようなポイントが挙げられます。

なかなか上位に上がらない原因
  1. キーワードの選定が的外れ
     多くの工務店が競合する「工務店」「リフォーム」などの一般的なキーワードを狙っていますが、競争が激しく、上位表示が難しいのが現状です。
    特に資本力のある大手企業やハウスメーカーに対抗するのは至難の業です。
     
  2. 狙っている検索キーワードとホームページの内容が一致していない

SEO対策で最もよくあるミスの1つが、「狙った検索キーワード」と「ホームページに書かれている内容」がズレていることです。

例えば、「〇〇市 リフォーム 費用」というキーワードで集客したいのに、ホームページには具体的な費用感や施工事例が書かれていない、あるいは他の情報に埋もれて目立たないといったケースです。

このような状況では、顧客が求める情報を得られないため、検索エンジンからの評価も下がり、検索順位が上がりません。

3. 技術的なSEO対策が不足
 タイトルタグ、メタディスクリプション(検索結果の一覧に表示される「説明文」のこと)、内部リンク、ページの読み込み速度など、基本的な技術的SEOが実施されていない場合、検索エンジンの評価が低くなります。

検索上位を目指すための具体的なアプローチ

上記の問題を踏まえ、検索上位を目指すための具体的な対策をご紹介しましょう。

1. キーワード選定で差別化を図る
 「工務店 リフォーム」といった一般的なキーワードではなく、「〇〇市 耐震補強」「〇〇市 バリアフリーリフォーム」など、地域名と具体的なサービスを組み合わせたロングテールキーワードを狙います。
これにより、競争が緩和され、上位表示の可能性が高まります。

2. 検索キーワードとホームページの内容を一致させる
検索エンジンは、「このページが特定のキーワードに関連している」と判断できる内容を評価します。
そのことから、狙ったキーワードを含むタイトルや見出し、本文の内容を一致させましょう。

3. 技術的なSEOを強化する
・タイトルタグに「地域名+サービス名」を入れる
・メタディスクリプションに具体的なアピールポイントを記載する
・本文にもタイトルタグやタイトルタグに付随するキーワードを不自然な文章にならないよう組み入れる

このようなことでSEOが強化されます。

SEO対策と同時にホームページの内容も集客するうえで重要になってきます。

どのような内容のホームページにすれば問い合わせが得られるかは、この後の事例で解説していますので続けてご覧ください。

工務店集客の方法4:SNSの重要性は情報発信ではなくコミュニケーションにある

「毎日インスタを更新して施工事例を投稿しているのに、一年間で一件も問い合わせが来ないんです」

「フォロワーが1万人近くに増えて、いいね!もたくさん付くようになったけど、相談はわずかで、しかもエリア外の人ばかり…」

こうした声は、SNS集客を試みる多くの工務店からよく聞かれる悩みです。

SNSは手軽に始められる反面、正しい使い方を知らなければ時間と労力ばかりがかかり、成果が見えないまま終わってしまいます。

では、何が間違いで、どうすればSNSを集客に活用できるのでしょうか?

多くの工務店が陥るSNS活用の間違い

SNSを使えば簡単に集客できると考える工務店は少なくありません。

しかし、「情報発信=集客」ではないのが現実です。

ただ投稿を続けるだけでは、フォロワーは増えても実際の問い合わせや集客につながらないケースが多いのです。

以下に、SNS活用で陥りがちな具体例を挙げてみましょう。

よくある失敗例

  1. 施工事例の羅列
    「施工前」「施工後」の写真を投稿し続けるだけでは、見た人が「この工務店にお願いしたい!」と思うきっかけにはなりません。特に、文章がただの説明に留まると、顧客に感情的な共感を与えることができません。 
  2. フォロワー数にこだわる
    フォロワーを増やすことに集中するあまり、地元以外のユーザーが大半を占める結果に。これでは、いくらフォロワーが増えても、地元での集客にはつながりません。 
  3. 一方的な情報発信
    投稿にコメントがついても返信をしない、フォロワーの投稿にリアクションしない、そもそもフォロワーの投稿は見ない、といった「一方通行の使い方」をしてしまうことで、顧客との関係性が築けません。

ステップ1:媒体選び

SNSといっても、ブログ、Twitter、Instagram、Facebookなど多岐にわたります。
工務店の集客において「どれを選べばいいのか?」という質問がよくありますが、重要なのは 「自分が使いやすく、続けられるものを選ぶこと」 です。

たとえば、「工務店ならInstagramが一番効果的ですよね?」という声も多いですが、Twitterを使って地域密着型で成果を上げている工務店もあります。結論として、どの媒体が良いかではなく 「自分に合っていて、継続可能な媒体を選ぶ」 ことが鍵です。

ステップ2:フォロワーを増やすための基本動作

SNSで集客を成功させるためには、フォロワーの数を増やすことは確かに重要です。しかし、ただ数を増やすだけでは効果は期待できません。特に、営業エリア外の人々ばかりをフォローしてしまうと、集客にはほとんどつながらないのが現実です。地域密着型の工務店にとって、エリア内のフォロワーを増やすことこそが最優先 です。

具体的な方法

  1. 営業エリアの住民をフォロー
    地域名や地元のスポット名をキーワードに検索し、自分の工務店が営業しているエリアに住んでいる人を見つけてフォローします。
  2. 地域コミュニティを活用
    地域情報を発信している人や、地元のイベントに関する投稿を探してフォローします。さらに、その投稿に反応しているフォロワーをフォローすることで、地域に密着したネットワークを広げられます。

ステップ3:フォロワーとの交流を深める

フォロワーが増えたら、次はコミュニケーションを通じて関係性を築く段階です。SNSは一方的な情報発信の場ではなく、双方向のやりとりを重視しましょう。

具体的なアクション

  • イイネやコメントを積極的にする
    フォローした人の投稿に対して、イイネを押したり、共感のコメントをすることで親近感を生みます。
    例:「素敵なお庭ですね!この雰囲気、すごく好きです。」
    「そのお祭り、私も行ってみたいと思ってました!」
  • メッセージを送る
    距離を縮められそうな場合には、ダイレクトメッセージでさらに深い関係を築くことも有効です。ただし、いきなり営業目的のメッセージを送るのは避け、日常的な話題から始めましょう。
    例:「先日の投稿で紹介されていたカフェ、素敵ですね!おすすめのメニューは何ですか?」

ステップ4:情報発信の割合と内容を工夫する

SNSで投稿する際、仕事に関する情報ばかりでは、フォロワーは関心を持ちづらいものです。ポイントは 「プライベート3:仕事2」または「プライベート4:仕事1」 の割合で情報発信をすることです。

なぜプライベート情報が重要なのか?
人はまず「どんな人がこの投稿をしているのか」に興味を持ちます。工務店の社長である前に、「日常を楽しむ親しみやすい人」としての魅力を伝えることで、フォロワーの心を引きつけやすくなります。

具体的な投稿例

  • プライベート投稿
    「今日は家族と地元のお祭りに行ってきました!たこ焼きが絶品でした😊」
    「趣味の家庭菜園で採れた野菜を料理してみました!」
  • 仕事関連投稿
    「新築施工が無事に完成‼️お客様にも喜んでいただけて感無量です(^^)」
    「リフォーム事例を紹介します。地元の素材を使った内装が特徴です💁!」

SNS活用の成功の鍵は「人柄」への共感

SNSで最も重要なのは、投稿を通じて「この人に相談してみたい」と思わせることです。そのためには、仕事の話をする前に、「人としての魅力」を伝えることが欠かせません。人柄を伝えることで親近感を持たれ、自然とフォロワーがコメントや反応をしやすい環境が生まれます。

SNSを活用する上で、この「人間心理」を理解することが、集客成功への第一歩なのです。

 

チラシで地域密着型工務店の信頼を築く!成功の秘訣

オフライン集客の中で最も手軽で効果的な方法:チラシ

オフライン集客の中でも、チラシは最も手軽に始められる方法の一つです。そして、ターゲットとなる地域住民に直接情報を届けられるため、地元密着型の工務店にとって非常に効果的なツールとなります。

しかし、「ただチラシを配れば良い」というわけではありません。多くの工務店が効果的なチラシ作成や配布方法を理解しておらず、期待した集客に繋がらないことがよくあります。

多くの工務店が陥るチラシ活用の間違い

  1. ターゲットを絞らないチラシ
    以前は反応が取れていた、いわゆるカタログ的なチラシが、今ではほとんど効果を発揮しなくなっています。その理由は、売り手としては差別化したつもりが顧客から見ると、どれも似たようにしか見えない点です。
    またカタログ的なチラシが反応を得られない最大の原因は、情報のベクトルがターゲットではなく、自社商品に向いていることです。
    「当社の実績」「使用する素材」など、自社をアピールする内容ばかりでは、お客さんは「自分に関係ない」と感じてしまいます。
    今の時代、チラシを見た瞬間に「自分の悩みに役立つ」と思わせることが重要です。
  2. 売りチラシになっている
    多くの工務店が陥りがちなミスの一つが「物売りチラシ」になっていることです。現代は、物やサービスが溢れかえっている時代です。そのため、**「素材の品質が良い」「工法が優れている」**といった内容を売りにしても、顧客からすると「どの工務店も同じ」と感じられてしまいます。

「どれも同じなら、有名な会社に頼もう」という心理が働き、中小規模の工務店の魅力が埋もれてしまうのです。

  1. 1回の配布で判断してしまう
    多くの工務店が「チラシを1回配布して反応がなかった」とすぐに諦めてしまいます。しかし、大きな決断は一度見ただけで行動に移されるものではなく、何度も目にすることで信頼が生まれ、問い合わせにつながります。ただし、ポイントを外したチラシでは、何度配布しても効果は期待できません。この点については、次のセクションで詳しくお話しします。

効果的なチラシ活用のポイント

  1. ターゲットを絞る:1人の心を掴むメッセージで工務店集客を成功させる

前文でお伝えした、**「ベクトルを商品ではなくターゲットに向ける」**ことが大切です。しかし、「外壁の汚れが目立ってきた築15年以上の戸建てにお住まいの方へ」というメッセージは、ある程度ターゲットを絞ってはいるものの、まだまだ絞りきれていません。これではターゲットの感情を動かすことはできません。

では、どうすれば良いのでしょうか?答えは、1人のターゲットに絞り込むことです。たった1人に向けたメッセージを作ることが重要です。
ここで、「ターゲットを1人に絞ってしまうと、対象が狭まりすぎて、反応が取れてもごくわずかではないか」と心配する人もいるでしょう。しかし、その心配は無用です。**1人の心を掴めない人が、大勢の心を掴むことはできません。**まずは、たった1人の人の心を確実に掴むことに集中するべきです。

これができると、たとえドンピシャではない人にもメッセージが響くようになります。まるで、**餅の1点をつまむと周りが膨らむように、**そのメッセージが広がっていくのです。
ターゲットを絞り、感情にフォーカスすることで、強い訴求力を持ったチラシを作ることが可能になります。

 

2.1人の心を掴む!物売りではなく感情に響くチラシの作り方

では先程のメッセージ「外壁の汚れが目立ってきた築15年以上の戸建てにお住まいの方へ」を、購入動機と感情を織り交ぜた形にすると、次のようなメッセージになります:


「洗濯物を干しで、ふと壁を見たらゴムみたいなのがビロ〜っとめくれていて…『えっ!なにコレ!』と心配になった奥様へ」

このように、表面的な説明にとどまらず、具体的な状況とターゲットの心の動きを描写することで、読み手に「まさに自分のことだ!」と思わせることができます。

平屋コンパクトハウスを案内する場合も同様です。説明的な「コンパクトで管理が楽な平屋の家への住み替えを」という表現ではなく、感情に訴えるメッセージを作るのが効果的です:
「階段の昇り降りで大きなケガが心配…段差のない平屋で安心な暮らしを手に入れたい60代のあなたへ」

ターゲットの心に響くのは、商品やサービスの説明ではなく、感情に寄り添ったメッセージです。

目を引くチラシを作るには、ターゲットの購入動機となる感情を的確に捉え、それをベースにメッセージを届けることがカギとなります。

3.チラシで信頼を育むには「継続性」がカギ

チラシは1回配っただけでは、大きな反響を得ることは難しいことがあります。しかし、それで諦めてしまうのは非常にもったいないことです。反応が薄い場合、別のエリアに配布するという選択肢もありますが、同じエリアに何度も継続して配布することを強くおすすめします。

なぜ継続配布が効果的なのか?

人は知らない会社や知らない人には反応しにくいという心理を持っています。1回目のチラシ配布では、「こんな会社があるんだ」と認識されるだけで終わることが多いですが、2回目、3回目と配布を重ねることで、「知っている会社」へと変わり、信頼感が徐々に高まっていきます。この信頼感の積み重ねこそが、問い合わせや反響につながる大きなカギです。

さらに、顧客の関心はタイミングによって変化します。たとえば、1回目に配布したときは「リフォームなんてまだ先の話」と思っていた顧客が、2回目や3回目の配布時に「そろそろリフォームを考えようかな」と思い始めることもあります。このように、顧客の関心が高まるタイミングに合わせてチラシが届くことが重要なのです。

チラシで問い合わせを得るには継続性がカギ

ただし、どんなチラシでも繰り返し配布すれば効果が出るわけではありません。以下のポイントを押さえないと、何度配布しても反応が得られない場合もあります

  1. 同じ内容のチラシを使い続けない
     同じチラシを繰り返し配布しても、ターゲットに刺さらない内容であれば何度見てもスルーされてしまいます。そこで、配布のたびにターゲットを見直し、異なる切り口でチラシを作成することが重要です。
  2. ターゲットの感情を理解したメッセージ
     前述した「ターゲットの感情を理解する」というポイントが、継続配布においても大切です。たとえば、「築30年以上の家に住む家族が抱える不安」を具体的に表現したり、「冬の寒さ対策ができていない家庭」に向けた訴求をしたりすることで、「このチラシは自分に関係がある」と感じてもらえます。
  3. 効果を測定して改善する
     配布したチラシがどの程度反響を生んだのかを確認し、必要に応じて内容やデザインを改善します。「反応率の良いエリア」や「配布タイミング」などをデータとして蓄積し、次回の配布計画に生かしましょう。
継続配布で信頼と反応を育てる

継続的に配布することで、ターゲット層の感情やニーズを理解し、チラシの内容を最適化するスキルが自然と身についていきます。これにより、配布するたびに反応率が向上し、問い合わせ件数が増えていくはずです。

ポイントは、諦めずに継続することです。そして、ただ配り続けるのではなく、ターゲット層を深く理解し、チラシを「育てていく」意識を持ち改善し続けることが成功への近道となります。チラシを通じて「この会社は信頼できそうだ」と感じてもらうことで、工務店としてのブランド力も自然と高まっていくでしょう。

 

成功事例:集客に成功した工務店

工務店集客の事例1:Twitterで集客に成功した工務店

多くの工務店が直面するSNS運用の壁

今や多くの工務店がSNSを活用して情報発信を行っています。しかし、継続的に投稿を続けられる工務店はその中のごく一部に過ぎません。さらに、継続したとしても売上につながらず、途中でやめてしまうケースも多く見られます。
そんな中で、茨城県の地方都市に拠点を構える工務店T氏はTwitterを活用して集客を成功させています。一体どのようにして成果を上げたのでしょうか?

 

Twitter経由で月2~3件の問い合わせを獲得

Twitterを活用してT氏は、月に2~3件の問い合わせを獲得するようになりました。その中には、小規模なリフォーム(15万円程度)から2,000万円規模の大型案件も含まれています。

Twitterを選択した理由としてT氏はこう言います。

「私の営業エリア内で、インスタをやっている工務店は何社もあったんですが、本格的にTwitterをやってる工務店がなかったからです。それを見つけたとき、Twitterで行こう!と決めました」

T氏のTwitter活用3つのポイント

T氏から学べるTwitter活用のポイントは以下の通りです:

  1. 投稿頻度を保つ
    1日5投稿を目安に、継続的な発信を行っている
  2. フォロー増やし
    自社の営業エリア内に住んでいると思われる人を中心にフォローしていく
  3. 投稿内容
    家族のことや趣味のことなどプライベートな話が8割で、仕事に関することは2割
  4. コミュニケーションを図る
    単に1日5投稿するだけでなくフォローをした人が投稿したら「いいね」をしたりコメントをしコミュニケーションを図る。これも毎日実践する

T氏のSNS集客成功の要因は?

T氏がSNS集客で成功した要因は、他社が見落としがちな「関係づくり」に徹底的に注力した点です。多くの工務店は施工写真やお役立ち情報、プライベート情報の投稿に頼りがちですが、情報過多の現代ではそれだけでは響きません。T氏は、毎日十数人をフォローし、いいねやコメントを通じて相手とのコミュニケーションを欠かさず続けました。この地道な取り組みにより、単なるフォロワーではなく人間関係を築き上げたのです。こうした戦略が、信頼感を生み、問い合わせにつながった最大の要因と言えます。

 

工務店集客の事例2:問い合わせゼロから4ヶ月で契約率100%!ホームページ集客成功事例

多くの工務店が抱えるホームページ集客の壁
現在、多くの工務店が集客の一環としてホームページを運用しています。しかし、「サイトを作ったけれど問い合わせがない」という悩みを抱える工務店も少なくありません。施工実績や会社情報を掲載するだけでは顧客の心に届かず、問い合わせに繋がらないケースが多いのが現状です。静岡県で建築業を営むK氏も、その悩みを抱えていた一人でした。

5年間、問い合わせゼロのホームページ

K氏は、チラシに依存していた集客方法からインターネットへ切り替えようと、ホームページを専門業者に依頼して制作。しかし、完成後5年間にわたって問い合わせはゼロのままでした。ホームページを見直すきっかけもなく、存在すら忘れていた時期もあったほどです。その原因を分析すると、サイトの内容が自社の施工の良さを一方的にアピールするもので、顧客視点や感情に寄り添った内容が欠けていた点にありました。

リニューアルで生まれ変わったホームページ

弊社がリニューアルを担当するにあたり、リニューアルした具体的内容をお伝えします。

  • 根拠のあるコンセプトに変更
    リニューアルにあたり、K氏に「これまでお客様からどんな言葉をもらったときに一番嬉しかったか?」と尋ねたところ、「相談できる人と出会えてよかった!」と言われた経験を挙げました。この言葉を基に、新しいキャッチコピーを「相談できる人と出会えてよかった!と言われる、あなたの身近な工務店」と設定しました。
  • コンセプトに沿ったプロフィールに変更
    そしてプロフィールに、なぜ「相談できる人と出会えてよかった!」と言われることにやりがいを感じるのか?反対にやりがいを感じないのはどんなときか?などK氏の本音を引き出し、それをコンセプトにしたプロフィールに変更しました。
  • ターゲット設定
    今までのホームページはターゲットを広く設定したものだったので、「たった一人の顧客」に設定しました。その顧客が「相談できる人と出会えてよかった!」と言った人です。
    その人の悩みや願望に応えるメッセージをサイト全体に反映しました。
  • 人間関係に焦点を当てた顧客事例に変更
    また、施工事例のページも大幅に改編。従来のように施工の質や技術をアピールするのではなく、顧客が「K社長と出会えて良かった!」と思ったエピソードや、K氏自身がその顧客と出会えて嬉しかったことを紹介する、人間関係に焦点を当てた内容に変更しました。

4ヶ月後に3件の問い合わせがすべて契約に

リニューアルから4ヶ月後、ホームページ経由で3件の問い合わせがあり、そのすべてが契約に結びつきました。

K氏はこう言います。「私は根っからの職人気質で営業が苦手なので、ホームページから来るお客さんが契約になるか心配してたんですが、初めて会うお客さんなのにずっと昔から私のことを知っていたかのように心をオープンにして話してくれるので驚くどホスムーズに契約になりした」

その3件の契約の総売上は2,000万円に達し、そのうちの1人の顧客はこう語ります。

「いろんなホームページを見てもなかなかしっくり来るところがなくて。でもKさんのホームページを見たとき、この人にお願いしようと、もう会う前に決めていました」

K氏のホームページ集客成功の要因は?

K氏が成功したのは、「顧客視点」に立ったサイト運営を徹底したからです。施工実績や工法、施工技術のアピール、お役立ち情報だけに頼らず、顧客との関係づくりを重視したメッセージを発信した結果、信頼感を育み、問い合わせから高い成約率を達成しました。

 

工務店集客の事例3:ポスティングで月800万円の売上を安定させた成功事例

ポスティングは、コストを抑えて地域密着型の集客ができる手法として多くの工務店が採用しています。しかし、「枚数を増やしても反応がない」「チラシを作り変えれば少し反応はあるけど長続きしない」といった悩みを抱える工務店も少なくありません。

その原因の多くは、チラシ内容のベクトルが自社に向いている点にあります。栃木県で建築業を営むN氏も、同様の問題に直面していました。

苦境の中で見つけた集客の転機

N氏は、リフォーム会社での5年間の営業経験と、会社で学んだチラシ集客を活かして独立しました。

マーケティングセミナーで学んだニュースレターをチラシに添え、毎月3000枚をポスティングする地道な努力を続けましたが、、結果は芳しくありませんでした。

売上は月30万円から300万円と大きな幅があり、月間の平均売上は100万円にも届かず、安定した収益を得られない日々が続き、貯金を切り崩しながら妻と子どもの生活を支えていました。

しかし独立から3年目、限界を感じ始めた頃に私と出会い、状況を変える転機を迎えることになります。

問題点の発見と改善

  • チラシのベクトルの見直し
    課題: N氏のチラシは、自社施工のメリットやリフォームメニューを羅列した内容で、顧客に響きませんでした。

解決策: ベクトルを自社から顧客に向けるコンセプトへと転換。以下の点の改善を行いました:

  • 季節に合ったニーズの把握:
    N氏に、6月に多かった問い合わせ内容を確認したところ、雨樋修理が多いことが判明。
  • 具体的な顧客像の設定:
    実際に雨樋修理を依頼した顧客で、一番困っていた人のエピソードを詳しく聞き取り。
  • 顧客の問題と感情に寄り添うコンセプト作り:
    顧客の困り事や不安を整理し、それに応えるメッセージを作成。 




そこで、このようなチラシのコンセプトができました。
「雨が降るたびポタポタ音で寝不足…雨樋が壊れてるだけ?屋根が壊れてるの?と心配なあなたへ」
このコンセプトを中心の、その顧客が実際に喋った言葉と、その言葉に対してN氏が気にかけた言葉を添え、それを解決するための提案と「追加工事一切なし」など安心して相談できることを書き、その顧客が安心して問い合わせられるチラシ作りをしました。つまり、その顧客一人だけにメッセージを向けたチラシに変えたのです。

 

  •  なぜお役立ち情報はN氏が伝える必要があるのか?
    N氏がチラシとともに配布しているニュースレターには改善の余地がありました。その内容は主に、N氏のプライベートなエピソードと暮らしに役立つ情報の2つで構成されていました。しかし、新規の顧客がN氏のプライベートに興味を持つかと考えると疑問が残ります。また、お役立ち情報についても、特別な内容でない限り、新規顧客の興味を引くことは難しいと判断しました。現代では、スマホで検索すれば専門性や権威性のある情報を簡単に手に入れることができます。そのため、一般的な暮らしの知恵をニュースレターで伝える必要性は薄いと言えます。そこで、ニュースレターの目的を再定義し、内容を大幅に見直しました。

    改善ポイント:ニュースレターを「お便り」へ
    ニュースレターの内容を次のように変更しました:
    ・読者を気にかけた季節の挨拶
    季節ごとのちょっとした気遣いを感じさせるメッセージを添え、親しみを持たせる。
    ・身近な人を気にかけたエピソードの紹介
    N氏が家族や仕事仲間を思いやる心温まる話を伝えることで、微笑ましい印象を与える。

    これにより、ニュースレターは「情報提供」から「お便り」としての役割にシフトしました。自分以外の人を気にかけるN氏の姿勢をさりげなく伝えることで、受け取った人が「Nさんは気にかけてくれる人だ」という印象を抱きやすくなり、相談のハードルが下がる効果が期待できます。
     
  • 同じ家への定期配布で問い合わせ数を大幅アップ!
    N氏は毎月、チラシとニュースレターをセットにして3,000件に配布していましたが、配布先が固定されていないため、新規顧客の記憶に残りにくいという課題がありました。
    このままではチラシの内容を改善しても効果が見込めません。

    そこで、ポスティングする家を固定し、住宅地図に記載して管理する方法を導入しました。毎月同じ家に配布することで、最初は反応がなくても3ヶ月目や6ヶ月目に問い合わせが来る可能性が高まるのです。
  •  既存客へのフォローを強化

    N氏には、既存客にもポスティングを実施するよう提案しました。当初は「独立してまだ3年ではリピートは期待できない」と考えていたNさんですが、チラシの目的を「気にかける姿勢を伝えること」に切り替え、短い挨拶や声掛けを添えて手渡しする方法に変更。これにより、ポスティング枚数を3,000件から1,000件に絞り、量より質を重視した結果、既存客との関係が深まりました。

 

安定した月800万円の売上を達成

  • 成果: 改善を実施した結果、N氏の売上は毎月800万円を安定して達成しました。
  • 成功の鍵: これまで意識していなかった“気にかける”姿勢を取り入れたことが、大きな要因でした。

N氏はこう振り返ります:

「ご主人を亡くされたお客様に『少しでも笑顔になれるよう、しっかりと仕事をします』と伝えたら、『そう言ってくれる人がそばにいてくれて嬉しいわ』と涙を流されました」。

この経験を経て、N氏は売上だけに注力していた以前の自分から、「お客様の笑顔を願う」という姿勢に変わったと語ります。

Nの成功のポイント

N氏が成功した最大の要因は、「1人の顧客」に絞ったチラシ内容と、定期的かつ戦略的な配布方法、そして既存客への気にかけを取り入れたことです。波のある集客から、安定した売上基盤を築く方法として、N氏の事例は大いに参考になるでしょう。