社長が営業をやめたら売上700万円が950万円になった!3つのポイントとは?

営業マンの成績が思うように伸びず、会社に定着しないことが悩みだった長谷川さん。それが今、営業マンが安定した成績を上げるようになり定着するように。さらには、営業マン自らが契約目標を立て壁に貼るようになったり、お互いにトークの改善話し助け合うようになった。その秘訣を長谷川さんに伺う。

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営業マンの育て方で悩み、モエル塾に入ろうと決意した。

― 長谷川さんは牛乳の宅配業ということですが、どうしてモエル塾に入ろうと思ったんですか?

営業をする者が4人いるんですが、この営業マンの育て方に困って、ということですね。
自分ではそこそこ(契約が)取れましたけど、社員は広告を出して集まってきても、なかなか定着しなくて、数ヶ月とかで辞めていくような感じだったんです。
辞める理由は、基本的には成績が下がるのもそうですし、正直ここで成績とれたら他でもやっていけるので、他から誘いがあったりして。
営業のやり方を説明して上手くいくようになっても、年数が経ってきたら契約が取れなくなってきて、「やっぱり市場のせいだよな、不況だよな」とか、そういう結論ばかり出してしまって・・・。
そこで木戸先生の本を読んで、営業方法の教え方みたいなことを学べればいいな、という感じでモエル塾に興味を持ちました。
本を読むだけと、先生から教わるのとじゃ、まるっきり違うんじゃないかと思ったんです。実績とか見たり、僕とは経験が違うので、こういう考え方でやっている人だから、牛乳とか小さいものでも新しい方法があるんじゃないかと思って。

― モエル塾に入るのに、躊躇したり迷ったりはしなかったんですか?

そうですね。モエル塾メンバー募集メールをみて、「もう入らないと!」という感じでした。

― さっき聞いてビックリしたんですけど、昔、モエル塾の問い合わせで電話したら、私に断られたとか?

そうなんですよ。勇気を出して電話したんですけど、まさか断られるとは・・・。
「数を追い求めるような営業だと合わないんじゃないか」と言われて。
でも、7,8ヶ月後に、また電話して、グレートメンバーになったんです。

― 長谷川さんを断ったというのは全然記憶にないんですけど、「新規開拓しか頭にないな」という人はモエル塾に入っても期待に添えない、というそんなスタンスなんです。

どうやって新規をとるか、そういうトークや手法を教えてもらいたかったんですけど、「今いる人たちに、長谷川さんがやっている方法をきっちり教えなさい」と言われたんです。「あとミーティングをやれ」と。

ミーティングや『あなたレター』の実践で、営業マンの仕事への姿勢が変わった。

― それでミーティングをやったんですか?

「毎回、同じことをやるのはきついな」と思ったけど、1週間に1回やってました。
お互いを否定しないというか認めていく。それで一人ひとりにロールプレイングをまず僕が見せて、そしてスタッフ一人ひとりのを見て「ここがいい!」と認められるところを探していこう、そしてお互いに言い合っていこう、と。
やっていくうちに、社員の方から「お客さんからこんなことを言われました」というような事例をどんどん話してくれるようになりましたね。

― 社員とコミュニケーションが取れるようになって、営業マン同士は何か変化があったんですか?

知らず知らずのうちにいろいろと考えて話し合ってますね。「みんなで1000本(契約を)取ろう!」とか、そういう目標を書いて壁に貼ったりしてますね。私は何も言ってないんですけど。

― 『あなたレター』に関してはどうですか?

最初、『あなたレター』って何かよくわからなかったんです。ニュースレターとの区別もつかなかったし、写真を載せるのも嫌だったんですけど、勉強会でだんだんどういうものかわかってきて、それで第1号を作りました。
そしていきなりチラシに挟んで、「これ、来週から配達してね」と。その時に女性の従業員から「社長、これいいですね。」と言われた時は、嬉しかったですね。

― 最初に作ったものをお客さんに届けて、お客さんに何か言われたんですか?

店の前を歩いているお客さんに「こんにちは、新聞見てるわよ、面白いわね」と言われたり、88歳のおばあちゃんから「すごく楽しい新聞をありがとう」って手紙をもらったり。
他にも新聞を出した後、2,3ヶ月連続で電話をいただいて、僕は受けてないんですけど、絶賛してくれていたらしいです。

― 『あなたレター』の効果を1ヶ月目から実感したんですね。

実感したのは、少し経ってからですね。というのも、お客さんの反応もそうなんですが、スタッフとの関係もそれで良くなっていたんですよ。
奥さんや子どもとか見せたことが無かったので、「可愛いお子さんですね」とか「子供の頃、そういうのが好きだったんですね」とか、話が広がったりしましたね。
スタッフからも「うちの奥さんが『社長さん、いい顔をしているわね』と言ってました」って言われたりして。
今まで、仕事以外の話をしてなかったのですが、そういう会話が増えましたね。

社員とコミュニケーションが取れるようになって、売り上げも上がってきた。

― 売り上げが伸びた3つのポイントですが、一つ目がチラシの戻りが出るようになった、二つ目が営業マンの成績が前まで波があったのが安定してきた、三つ目が営業マンが定着してきた、ということですよね。

一つ一つ詳しくお話を聞かせてください。

一つ目のチラシの戻りが出るようになったというのは、食品や雑貨を勧める販売用のチラシなんですが、配送員に牛乳と一緒に配るように渡してあったんですけど、なぜかいつも余っていたんです。
(チラシを)配っていないということなんですが、コミュニケーションが取れてきてからは、余らなくなってきた。ちゃんとチラシを配ってくれるようになったので、自動的に売り上げが上がるようになってきました。

― 何で配送の方とコミュニケーションが深くなったな、と思いますか?

みとめ本に載っていた、「ありがとう」という言葉をスタッフに言ってみたんです。
そのスタッフは会うたびに愚痴を言われるから、「このままじゃまずいな、この人と関係を作れないとダメだな」と思って朝、ドキドキしながら、いきなり、「○○さん、いつもありがとうね」と。
そしたら、ニコッとして、「何よ、改まっちゃって」と言われて。
「そういえば、言ってなかったなと思って。ホント、あり難いなと思ってさ」と言ったら「こちこそ」って。

― すごくいい話ですね!それはそのスタッフの方も変わりますよ。言いづらい人に敢えて最初に言ったことで、他の人には楽に言えたんじゃないですか?それ以外にも配送の人たちとの変化はありましたか?

すごくしゃべりやすくなりましたね。この前、忘年会をやった時も『あなたレター』の話になって、あるひとりのスタッフは「なんで俺たちの写真を入れないの?」とか。

― ポイントの二つ目ですが、営業マンの成績が安定してきた。それは何故なんですか?

営業は、朝出たらずっと一人なんですよ。それで帰ってくる時間も待ち待ち。一人でコントロールをしなければいけなかったのが、ミーティングをするようになってその時に仕事の状態を話して、お互いで修正の仕方とか話すようになって助け合うようになったので、そのせいだと思いますね。

― みんなと情報共有もできるようになったし、気持ちの維持というか、みんなと顔を会わせて「よし、顔晴ろう!」と。それでみんなの成績も安定してきた、ということですね。

3つ目のポイントの営業マンが定着してきた、というのも今の話と直結してますよね。

成績も安定してきたし、この場が楽しいからだと思います。
あと、モエル塾に入る前にはなかったんですが、何のためにやっているのか、ということで、“まずお客さんに元気で笑顔になってもらいたい”というのをうちのスローガンにしたんですが、それを伝えていったら、営業マンに浸透していったんだと思います。

社員自ら目標を掲げた貼り紙を貼ったりして、会社の中が活気づいてきた。

― 「元気でみんなに笑顔になってほしいんだよ」というのはどういう場で言うんですか?

常に言うようにはしているんですけど、基本的にはミーティングとか朝とか。お客さんは年配の方が多いので、「昼間回っていて一人でいらっしゃったら、取る、取らないというのはわからないけど、みんなが笑顔で接したり、おいしい物を食べてもらって、笑顔になって喜んでもらえたらいいよね、そしたら相手も喜んでくれるし、成績も出ると思うよ」と。まずはそういった形で“笑顔で元気になってもらいたい”という気持ちでみんなでやっていこうよ、と話しているんです。

― 写真に撮って、モエル塾メンバーに見せたいんですが、この「天国言葉を使おう!」というのはてっきり長谷川さんが書いたのかと思ったら、社員の方が自分で書いたんですね。

これもミーティングを開いたり、コミュニケーションが取れるようになってから社員の人が自主的に貼るようになったんですね。これはすごいことですよ!

他にも、“ただ、ひたすら前向きに”とかね。
そういうのを書けるなんて、ホントにすごいな、と思うんですよ。

― モエル塾に入って、一番良かったことは何ですか?

もちろん売り上げが上がったことは嬉しいんですけど、スタッフとの関係が良くなったことで、ストレスがなくなったんです。それまでスタッフの顔色を見ながらやらないといけなかったので、あのストレスは自分的には耐えられなかった。

― 最後に長谷川さんにお伺いしたいのが、以前の長谷川さんのように、なかなか営業マンが定着しないとか、なかなか営業マンが成績を上げてこないとか、今言われたように社員に対してのいろんなストレスがあるとか、そういう悩みを持った人に一言、これをやったらいいよ、というのがあったら、最後にお願いします。

今まで、自分を伝えてなかったというのがあったと思うんです。それが『あなたレター』を出したことでスタッフ自体が僕を知ってくれたし、気持ちも伝わるようになった。
そして、どういう気持ちで仕事をしているのかということを“みとめ”ミーティングの中で話して、そうすると、スタッフにもその気持ちが浸透する。
普通のミーティングをすると「ああだ、こうだ」って、もちろんみんな真剣だから、エキサイティングしちゃったりすると思うんですが、“みとめ”を最初伝えて、その上で安心して話せる土台というのができたので、
まずは『あなたレター』をお客さんだけじゃなくて、スタッフにも伝えて、どういう気持ちで仕事をしているのかということをみとめのミーティングの中で、いきなり言うものあれですから、僕は紙に書いてこういう気持ちでやっているんだと、2,3ヶ月見せながらやっていたんです。読みながらやっていたんです。
だから、『あなたレター』をスタッフに対しても見せていったらいいかな、と思います。

― ありがとうございます。長谷川さんの素晴らしいところはフラットな関わり方をしているところですよね。まずは『あなたレター』で知ってもらうということですが、普段から主張ばかりしている社長だと、社員のシャッターが下りちゃっているんですよ。

  これが長谷川さんの場合、フラットな関係だからそれが伝わる。押さえ込んでいると自由に社員の方から発想や意見は出ないと思うんです。長谷川さんのような社員との関わり方のモデルというのはすごく重要で、フラットな関係の中でみとめを実践したところ、そこに社長が営業を辞めたら売り上げが700万から950万になった、と。

なんで(私は)営業をやってないのに、売り上げが上がったかな、と、今でもわからないですね。

― 今の話の中の、社員とのコミュニケーション、長谷川さん自信がストレスがなくなった、とそこに答があるんだと思うんです。今日は本当にありがとうございました。

こちらこそ、ありがとうございました。