売り上げを下げて利益を激増させた!オキテ破りの経営改革

5年前までチラシとイベントで集客し、大型物件を契約率8割という高い数字で売上を上げていいたのが、だんだん反響が落ち、4年前は3億の売り上げがあったにも関わらず、3000万の赤字になっていた田中さん。

年間2000万かけていたチラシなどの販促全てをやめ、あることを始めたところ800万の利益を上げることに成功した。田中さんが実践してきたオキテ破りの経営改革を伺う。

目次

チラシやイベントでの集客が頭打ちとなり、何か新しいシステムを確立しようとした。

― タイトルの「売上を下げて利益を激増させた」というのを、具体的な数字で言うと?

4期前は売り上げが3億あったんですが、3千万の赤字だったんです。でも昨年の売り上げは2億に落ちたんですが、800万の利益が出ました。

― そこに至るまで、いろんなことをされたと思うんですが、集客はどんな方法ですか?

最初はうちのチラシ自体がここら辺では初めてじゃないですかね。顔も載っている、写真も載っているチラシで安心されて相見積がなかったんですね。反響は少なかったんですけど、契約率は8割でしたね。それも1500万~2000万の大型物件ばかりでしたね。

― イベントなんかもやったりしていたんですよね?

イベントの方も始めた当初は、2日間で30件以上のアポイントが取れていたんですよ。
でもだんだんその集客方法ではうまくいかなくなってきて。リフォームの移動ショールームという形でその時にお絵かきをやったりじゃんけんゲームをやったり、いろんなことを試しましたね。それで集まったとしても、ただ景品目当ての人もたくさんいますね。ショールームイベントもやりだした時はすごく反響がとれたんですけど、やっぱりまたまたみんなが真似するじゃないですか、その地域にもチラシが入るじゃないですか。だからどんどん反響が薄くなっていくんですよ、どんどん飽和していくんです。これじゃイベントの採算が取れないし、チラシも経費がかかる分を回収できなくなってきたんです。だから何かシステムを転換しないといけないと思って、いろいろ探しました。

― それでモエル塾を知ったんですか?

木戸先生のことは前から知ってはいたんですが、検索をかけたら名前が出てきたので、詳しく見ていって、やっぱり『あなたレター』かな、と思いました。

― どこを見て、「これかな?」と思ったんですか?

メールマガジンにあった“「ヒト」にフォーカスする”、“「ヒト」と「ヒト」との付き合いを大事にする”というところに共感したんです。それで『あなたレター』のつくり方は以前講習会に出たことがあったので資料もあったし、無料動画を見て去年の3月くらいから始めてみて、5月にはモエル塾に入りました。

― 実際に入ってみて、どうでしたか?

純粋な僕の悩み、例えば、「会社を楽しくしたいならこういう朝礼がいいですよ」とか、「配る時にはどうしたらいいですか?」「こうしたらいいですよ」とか、引き出しが多いなって。木戸先生のことをドラえもんみたいだ、と。本当に一瞬で答えを返してくれるのは、他では味わったことがないですね。だからこの先生の言うことは素晴らしいと思いました。まだまだ吸収することはたくさんありますね。

『あなたレター』をスタッフ一人一人が作って手渡しするようにした。

― 「オキテ破りの経営改革」ということですが、まず最初に何をやったんですか?

『あなたレター』ですね。『あなたレター』を作って手渡しするためにOBさんを訪問しました。今まで全然訪問なんてしてなかったんですよ。それまでニュースレターを作っていたんですが、この『あなたレター』は腹の中まで見せる。だからお客さんは警戒心がなくなるわけですよね。そこに私はビビっときたんですが、スタッフにそれを浸透させるのは大変でした。

― スタッフの方が「こんなもので売り上げが上がるのか」って思うでしょうね。まして、チラシをやめると宣言したというから、ますますビックリしたんじゃないですか?

ビックリしていました。今まで電話がかかってから訪問すればよかったのが、自分の方から手渡しに行くなんて、と。でも「社長が言うから仕方ないな」という形でやってくれました。でも2か月後にうちの設計士の川末さんが、レターを作るのも手渡しするのも一番苦手なタイプなんですけど、初めて手渡しに回った時にいきなり2000万の案件を取ってきたんです。それも相見積なしで。過去にも1000万近くの工事をしてくれたOBさんなんですけど、「よく来てくれた」と喜んでくれたそうです。それで他のみんなも「これはいけるかもしれない」と確信したみたいです。

― 他の方はどうですか?

西脇部長はまめに配ってますから、単価は小さいですけど案件は一番多いです。もう一人はうちの息子なんですけど、ポスティングしているんですが、トイレの交換やクロス工事とかきています。1人1人目標にしている売り上げとか粗利があるんですが、10月くらいまではずっとクリアしていますよ。

― 『あなたレター』だけで3000万の赤字だったのが800万の利益になるなんて、信じられないんですけど。

『あなたレター』で取る案件は、本当に利益率がいいんですよ。35%~40%で取れるんです。3億の売り上げを上げていた時代は、10%~20%でそれから交渉されて下がっていくんですから。昔からうちには営業管理表というのがあって、そこに利益率を貼るようにしたんです。そこに何%出る、それが出ないと私が印鑑を押さないというルールにして。だから大きな工事でも利益率が低いと「断ってくれ」と言ったりします。その確認作業をみんながきちんとするようになって、利益率をキープするようになったと思います。

― みんなが粗利の意識をちゃんと持つようになったんですね。

そうですね。粗利がない受注は自滅しますから。それとうちは値引き交渉も3%までと決めています。職人さんにもきちんと払うためにも。職人さんがいい仕事をすれば、お客さんも喜んでもらえるわけですからね。

お客さんとの距離が縮まり、仕事が入ってくるようになった。

― 『あなたレター』を手渡しすることによって、スタッフが変わったことはありますか?

『あなたレター』に自分のことを載せているので、共通する話題でお客さんと盛り上がって話すようになったと言っています。川末さんはお孫さんの話で盛り上がって、それでトイレの改装の仕事をとってきたんですよ。『あなたレター』でお客さんとの距離が変わってきたんですね。

― スタッフの方の笑顔が増えたりとかはないですか?

10月くらいまでは笑顔が増えましたよ。でも12月は売り上げが落ちちゃったんですよ。10月、11月でチラシを入れたんですね。その対応に追われて、12月が忙しくなっちゃってそれで『あなたレター』を配らなかったら、売り上げがドーンと落ちてしまいました。だから、やっぱり『あなたレター』だけでやっていこうよ、と部長に話をしたんですよ。

― 『あなたレター』で取ってきた仕事は本当に粗利率が違いますもんね。

それに3億の売り上げがあった時は休みがなかったんですよ。1か月に1回あればいい方で。大きな案件の前は徹夜も多かったし、今は1週間に1回はちゃんと休んでいますね。それに6時半にはみんな帰っています。食事とか昼寝とかも自分が自由な時に取るようにしているんですよ。でもみんなが協力しないといけない時は、みんなで助け合う。みんなすごく仲がいいですよ。

『あなたレター』を使ってお客さんの情報を収集しリスト化していこうと思った。

― モエル塾に入って一番良かったことをお聞きしたいんですが・・・。

やはり『あなたレター』を作るようになったことですね。今後も『あなたレター』を確立させていきたいですね。OBさんへの訪問とポスティングと紹介と。紹介のリツイーとフレーズも心を込めて言わないと返ってこないんですよ。これをみんなが徹底してやるように、今期の決算までには確実に作って、自信をつけさせたいですね。

そして今はまだシステム化していないので、例えば「1年後にこれ、3年後にはこれをやりたいのよ」と聞いてきたお客さんの情報をリスト化して、チェックしていきたいんですよ。

― 情報収集をしっかりするということですね。

「2・8の法則」という言葉があると聞いたんですけど、売り上げの8割は2割の優良客から生まれる、ということなんですね。うちは1200件のお客さんがいるんだから、その中で親しくしゃべれる人をどんどん選んで頑張ろうよ、とスタッフと話してるんですよ。

― 田中さんから見て、こんな風に悩んでいる人がいたらモエル塾が一番合っているよ、と思う人はどんな人ですか?

まず人間がいい人で、思いやりのある人。人を蹴落としてでもやって行こうという人はダメですね。やる気はあるんだけど、何かやり方がわからない。一生懸命やっているんだけど、このままじゃ成功しない、何かをつかみたいという向上心がある人は、ぜひモエル塾に入ると必ず伸びると思います。

― 反対にこういう人はあんまりモエル塾に合わないな、という人はどんな人ですかね。

お客さんを客としか思っていない、嘘をついてでも仕事を取ってくるような人はダメですね。あと同僚や部下の手柄を自分の手柄にするような人もダメですね。

― 話しを伺って素晴らしいと思ったのは、田中さんの決断の早さなんですよ。「やるぞ!」と思ったらすぐにやる。グズグズ悩みながら3か月後に決断するのとでは結果が大きく違ってきますからね。
今日は本当にありがとうございました。

こちらこそ、ありがとうございました。