技術職一筋29年働いてきた内山さんが、50歳の時に飛び込み営業の世界に足を踏み入れた。しかし、期待していた『あなたレター』もほとんど機能せず、契約が取れない。食えるか食えないかの状態が続いた。
それが今、営業マンが30人いる中でナンバーワンの成績を上げるようになった。営業未経験でもナンバーワンになれる3つの秘密の中味を伺う。
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技術職29年でリストラになり、切羽詰って飛び込み営業の世界に入った。
― 29年間ずっと技術畑の仕事だったのが、どうして営業の仕事に就いたんですか?
専門学校を卒業して、パターン設計の会社に就職したんですが、リストラになってしまって。いろいろと面接試験を受けるんですけど、落っこっちゃって受からない。お弁当の配達という仕事も受けたんですけど、年齢的なものもあって落ちてしまう。
その時に時間があったので、図書館に行って農業関係の本を見ていたら、なぜかその棚の上が営業のジャンルの棚で、そこに木戸先生の「小心者の私でもできた年収1200万円獲得法」の本があったんですよ。そのピンク色の本がパッと目に留まって読んだんです。
実際にやった人が言ってあるというのと、僕も小心者だし、トークとかいろんなことが書いてあるのを見ても、なんとなく納得できる部分があったので、ひょっとしたら僕にもできるんじゃないかな、と。それで営業の会社の面接もうけてみようかな、と思いました。
― それで今の会社に入社して、塗装工事の営業をやるになったと。本の通りに飛び込み営業をしたけど上手くいかなくてモエル塾に入ったということですか?
いえ、そうではなくて、やはり技術一筋でやってきたので第三者のアドバイスがないと無理じゃないかな、と思ったんです。なので今の会社に入社したと同時ぐらいに、モエル塾に入ったんです。
― 通常なら会社の上司が教えてくれるものを、どうしてモエル塾だったんですか?
何も教えてくれなかったんですね、実を言うと。一通り、マニュアルみたいのはあったんですが、机上の空論といったら変ですけど、実際にそういう理想形があるんですけど、現実的じゃない。実際に聞いても具体的には教えてくれない。
― 自分で考えろ、みたいな。
はい、自分の例はちょこっとは語ってくれるんですけど、それでうまくいくわけないな、と。あとは自分の性に合わないというのは変ですけど、いきなり行って、あそこが傷んで、そこが傷んでみたいな感じで言っていたので、僕には合わないな、というのがあって。
― 実際にモエル塾に入るのに躊躇はしなかったんですか?
それはありましたね。収入面も0になっていたし。でも投資しないよりは、外の方に指導いただいた方が、結果が投資以上の見返りがあるんじゃないかな、と思ったんです。
自分一人だと限界があるだろうし、いくら本を読んでも、的確にマンツーマンで指導を受けた方が、結果が早いんだろうな、と。それだったらやっぱり利用して売り上げにつながった方がいいのかな、ということで入ったんです。
― モエル塾に入ろうと、決め手になったものがありますか?
決め手というか、入社したのと同じタイミングというか。同時にやった方がタイミングもピッタシだし、それがしいて言えばきっかけかもしれないですね。それで食っていくんだ、と。
入社と同時にモエル塾に入り『あなたレター』も始めたが、結果は出なかった。
― それで実際にモエル塾に入って何かいいことはあったんですか?
非常に言いにくいんですけど、次の月の6月に『あなたレター』を1号を発行しているんですよ。本の通りにいくと、僕はそれだけでうまくいくと思っていたんですよ。配り続ければうまくいくだろうと、甘い考えだったんですよ。
それで、2回、3回、4回とやってても、じゃんじゃん電話が来るもんだと思っていたら、全然そんなことなくて、「あれっ」と思ったんです。
うちの店長にも言われるわけですよ。「もうちょっと頑張ってくれないと困る」と言われて、「もうちょっと待ってください、もう2,3回配れば、反響がガンガン来ますから。」と。そんな淡い思いがあったんですけど、甘かったですね。
たまたま運よく契約をもらえたりもありましたが、そのあとは浮かんだり沈んだり安定しなくて、そういうのが結構続きましたね。年と越して、4月までは上がったり下がったり、食えるか食えないかでしたね。
― 飛び込み営業で『あなたレター』をどんな風に活用していたんですか?
最初の頃はまずピンポンして、ある程度話ができた人に渡していました。でもその後は木戸先生に電話相談で言われたように、出てきてくれた時にすぐに渡しました。
そうやっていろいろ試行錯誤していたんですが、それでも結果がでなくて・・・。
最初の頃は張り切って、ひと月に200部くらい渡していたんですが、結果がでないので、30部くらいに減らしてしまったこともありました。
― それでも『あなたレター』は毎月作っていたそうですが、普通結果が出ないとやめてしまうのに、どうしてやめなかったんですか?
先生にいろいろアドバイスを受けていたというのもありましたし、たまにですけど、期待してくれる人もいたんです。「面白かったよ」とか「待ってたのよ」とか。そういうのがあると嬉しいじゃないですか。
それに去年の秋に、『あなたレター』が好きだという人がいて、これをだしに月末に持って行って、翌月の早い段階でまた持って行ったんですよ。それで話が盛り上がって、みごと契約になったというのがあったんです。
次に訪問する口実を作り、友達になるようにすると、契約が取れるようになった。
― 今回のテーマが、年間売上社内ナンバーワンになった3つの秘密ということで、一つ目が“売らない”、二つ目が“訪問の口実”、次が“友達になる”、ということですが、それに関してお話をお願いしたいんですけど。
売れない時は世間話は少しで、「(外壁塗装を)やった方がいいですよ」と攻める営業だったんです。でも店長に「3分以上話ができた人を1週間に10軒以上見つけなさい」と言われて、そうすると次に訪問ことを考えないといけない。
だから次に行けるような何か宿題を考えました。例えば、「あそこ、ヒビがあって、幅広いですね、ちょっとあんなのを見たことないから聞いてきますね」とか。そんな風に次に訪問する口実を作ったんです。
― いつだったか忘れたんですが、内山さんが「“売らない”ということがこういうことなんだとわかりました」と電話相談の中で言ったのがすごく印象に残っているんですが。
それは3つ目の秘密の“お友達になる”という部分で、友達になってさえしまえば、あとはスムーズに運ぶということが分かった、ということだったと思うんです。
― お客さんの方から「買いたい」となるのはニーズ喚起をしたからより、「ヒト」と「ヒト」関係を築いたからで、友達になるというのも「ヒト」と「ヒト」関係なんですよね。
この対談を聞いている人に、お客さんの前に行くと、つい“売ろう”とする気持ちになってしまうという人は、どうアドバイスしますか?
(お客様と)友達感覚になって、それだけでも契約になるんだと、そういう経験がないと、変わらないんじゃないかと。いくら人に言われても体験してみないとわからない。先生に「売らないということがこういうことだとわかった」と言ったのは、実際に結果がでて「なるほど」と思った瞬間なので。
― では、その体験ができるようになるには、
何をしたらいいですか?
例えば「1日の内で午前中これに騙されたと思って徹してみよう」とか、そういうことをやっていくといいと思うんですよ。
結局アクションを起こさないと変わらないので。
『あなたレター』や電話相談など、コツコツとやり続けることで成果が出てきた。
― 毎日コツコツピンポンをやり続けたことと、私に電話相談を毎月確実にし続けたという共通点が内山さんにありますよね。コツコツ力が素晴らしいです。
毎日ピンポンしていると思考がマンネリ化する。その時に電話で報告するだけでもおさらいになるし、次の行動も見えてくる。内山さんのコツコツ力は、自分を信じられるからできているんだと思いますね。とにかくやり続ける。この実践で“売らない方が売れる”体験ができたんだと思います。
先生の本に出会って仕事に就くまで半年くらいあって、それなりに悩んだんですよ。
メルマガも取ったし先生に無料相談もしていたし、切羽詰っていたというのもありましたけど、やるしかないなと。
― 切羽詰っている中でも自分の足りないところもちゃんと見て、そこを克服してやっていこうという覚悟があった。あと最初は自分が家の知識がないことはいけないことだと言っていましたよね。それが最近では知らなくてもいい、「わからないから聞いてきます」と。これがまた次に行く口実ができますよね。
たしかに最近は家のことで指摘するような話はしてないですね。勝手に向こうから「(家のことを)見てくれ」みたいな感じになってきて。
― 素晴らしいですよね。ところで、モエル塾に入って、一番良かったことはなんですか?
良かったことは、やっぱりいい時も悪い時も先生とお話できて、ある程度のアドバイスをもらったことですね。
会社の人間とか女房に言えないことを言えるので、その辺が良かったと思います。
― 最後に、これから飛び込み営業をやってみようと思う人に一言アドバイスをするとしたら、何と言いますか?
方向が定まるまでは納得がいくまでそれに対して調べた方がいい。どういう世界なのか、実際飛びこんでみないとわからない世界かもしれないですけど、予備知識を多く情報を集めた方がいいと思います。
方向が決まったら、あとはやるだけというかアクションを起こしていかないとどうしようもないので。そして僕と木戸先生の関係みたいに、アドバイスを受けることができる環境があればもっといいのかな、という気がします。やっぱり一人だと限界があるので。
― 中村雅俊の歌に「人はみな一人では生きてゆけないものだから」ありましたけど、本当、その通りですよね。人間なので人の間、間を作らないと上手くいけないということですよね。内山さん、今日は本当にありがとうございました。
こちらこそ、ありがとうございました。