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インタビューの初めての仕事で信じられない結果をだした。
― 「社長を元気にするインタビュアー」というのは、具体的にどういうお仕事なんですか?
現在はホームページやブログが大切だと言われています。しかし、実際に経営者の方は自分がどういう思いで仕事をしているのか、こういう人に対してこういう思いで貢献したい、というのがなかなか自分では書けないんですね。
そこで、私がインタビューをして社長自身も気が付いてなかった社長の思いとか生い立ちとかを物語形式で書く、という仕事です。
― 実際にホームページにアップしてすごく評判が良かったと聞きましたが
サッシ屋さんなんですが、「サッシ屋ドットコム」というホームページですね。
社長さんは、不景気の中での下請けの厳しさから、直接メンテナンスの仕事を受けたいという思いがあったんです。
ところがホームページを持っていなかったので、私がインタビューをしてその人の思いをブログに書いて、またホームページで集客できるようになればいいね、とホームページも作りました。
そしたら、ホームページを公開して1ヶ月くらいで、アクセスは80か90くらいでそんなに多くなかったんですが、3件注文が来て、2件が見積もり中です。
― それはすごい数字ですね。秋田さんにとって初めての仕事だったんですよね?
インタビューしてみると、社長さんはちゃんとした使命をもっているんですよ。
インタビュー中には、「使命とか理念とか、私にはないですよ」と言っているんですが、(インタビューが終わった後に)「意外とちゃんとした理念を持ってたね」と自分で気づく。自分を肯定するんですよね。
それで、(3件の注文という)結果も出たし、社長も自分がやろうとしている意味が見えた、という感じで…(数字が良かったことより)そっちの方が嬉しかったですね。
ある社長さんの一言がきっかけで 自分のやりたいことが見えてきた。
― ところでなぜ保険屋さんだったのが、こういう仕事を始めようと思ったんですか?
去年の4月からモエル塾に入って、「あなたレター」とか奇跡の物語とかを作って、成績が上向いてきたんですけど、なんかしっくりこなかったんですよ。
その時に木戸さんの電話相談を受けて、「秋田さん、どんな方と仕事していると楽しいですか?」と聞かれたんです。「えっ?仕事って楽しくするものなの?」って感じでした。
私は、仕事は営業数字を達成することで、そのためには少々残業しようが、きつかろうがそれに向かうものだと(思っていました)。
だから、「楽しく」と聞かれて、「えっ?」と思ったし、「なぜ自分が仕事をしているのかよくわからない」「自分のために仕事をしているんじゃないのか?」と悶々としてきました。
それから今までの仕事の仕方は何か違うんじゃないかと思い始めて、ここは徹底的に自分は何のために仕事をしているのかを見よう、と思ったんですよ。
― それがなぜ、「社長を元気にするインタビュア」なんですか?
(保険の)お客さんの中で5人くらい経営者の方がいて、その方のところに行くといろんな悩みとか、お子さんのこととか、私に相談をしてくれていたので、そういう方のお役に立ちたいな、と思ったんです。
ある社長さんから「秋田さんが一番困っていて、聞きたいと思ったことを聞きなさい」と言われたんです。それで、「自分が何のために仕事をしているのか、よくわからない。
47歳まで、人にも相談せずに自分勝手でダメダメな人生を送ってきて、自分でもよくわからなくなったので、インタビューをしているんです」と素直に言うようになったら、社長さんとのインタビューが深くなっていったんですよ。
社長さんは私が何のためにインタビューをしているのか、心の中で見てるな、というのに気がついて、(逆に)自分を試されているな、と思ったんです。
自分自身を、どんな偉い人にも明け透けにしたことによって、逆に楽になりましたね。
― 楽になっただけじゃなくて、何のために仕事をしているのか、ということも見つかったんですか?
ええ。インタビューをする社長の中には、いろいろと実績を上げているんですけど、自分がやってきたことは価値がない、と悩んでいる社長さんがいるんですよ。
でも、「この方ってきちっとある思いを持って仕事をしているな」って心が見える感じだったので、「素晴らしいことをやられていますよね」と言うと「ああ!そうなんですね!」と自分を肯定するというか、みとめ感がでてくるんです。
それと、「自分も仕事とかみ合わないまま生きてきて、何かを達成しても納得しない人生をずっと歩んできたんです」と60歳のある社長さんに話をしたら、「秋田さん、今何かを見つけようとトライしていることは、それはすごい価値があるよ。それを秋田さんのライフワークにすれば、それは世の中にすごく喜ばれると思うよ。」と言われたんですよ。
私のダメな経験というのは、同じように悩んでいる方にとっては、私がトライすることで役に立つ。オセロでいうと黒が白に変わるという感覚でした。
奥さんも苦しかったことに気が付いていて 転職に賛成してくれた!
― 今までと収入がかなり変わると思いますが、奥さんは何かおっしゃいましたか?
かみさんに「保険の仕事と自分がやりたいと思うことが、どうもヒットしない、営業マンには向いてないみたいだ」と本音を全部話したんです。
でも、かみさんは「あなた、楽しそうだから。(いいんじゃない)」と言ってくれたんです。「あなたはずっと苦しそうだった、いつも一生懸命楽しそうにやっていたけど、なんか苦しそうに見えた」と。
こういう人には喜んでもらえるな、とかこういう人には反応がないなぁ、というのを(インタビューしながら)繰り返す中で、今まで自分勝手に自分の思いでやっていたものが、自分を評価してくれる、自分をありがたがってくれる人がいるというのは、すごく嬉しかったですね。
― でも、現実的には収入が減るわけですが、大丈夫ですか?
どういう仕事が来るかまだ全然見えないんですけど、自分が何をやっていけばいいのか、見えてきた。それに向かって、階段をひとつひとつ上っているという感じです。
喜んでくれる人がいて、お金をもらえることが すごく嬉しいことだと感じた。
― 実際に、お客さんのお役に立てて喜んでくれる人がいるということがわかった。それがエネルギーの根拠になっているようですね。
今までは、(インタビューを)断られたり、いい評価を受けないと、自分が否定されたみたいでめげてたんですけど、今では、「そうじゃない人は私がお役にたてない人だから、それもしょうがない」と思えるようになったんです。
今の私の実感としては、私がその方のために仕事をすることで、喜んでもらえる。
格好いい言い方をすれば、「この世に生まれてきて良かったな」という実感ですね。
なおかつ、その方からお金をもらうこと自体がすごく嬉しい。数字が上がったから、というのではなく、その方に喜んでもらえてそれでお金をもらえる。
初めて、お金をもらえるのが嬉しいんだな、と感じましたね。
― 「私はこれに命を使います!」ということで、”これ”が見つかったら強いですよね。
私が秋田さんを応援したくなったのは、現実逃避じゃないということが分かったからなんですよ。
秋田さんのように「楽しいから仕事をしている」ようになるにはどうしたらいいか、アドバイスをお願いします。
「今(やっていることは)なんか違うな」と思っている人は、その気持ちをちゃんと素直に言葉にして全部吐き出すこと。そこから始まるんじゃないかな、と思いますね。
― 自分の至らなさを認めて、それを勇気を持って言葉にし、そして本当にやりたいことを見つけて、まさに「楽しいから仕事をしている」状態になった秋田さん。
お客さんに喜んでもらって良かった、そしてお金をもらって嬉しかったという気持ちになれた秋田さんは、本当に生き生きとしています。
今悩んでいる方はぜひ秋田さんの話を何度も聞いて、自分のやりたいこと、楽しい仕事に挑戦していってほしいと思います。
秋田さん、今日はお忙しい中、本当にありがとうございました。
こちらこそ、ありがとうございました。