8年前まで月商1千万円の売り上げが、昨年前半にはその3分の1にも満たないようになった。チラシを打っても鳴らない、やっと来た問い合わせが相見積りばかり。
足の調子が悪かったり毎週母親の病院の送迎があったりと時間もない。
そんな八方塞がりの状態から、見事に復活した赤尾さんの実践秘話を伺う。
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お母さんの営業で仕事が取れていたが、病気で辞めたらだんだん売上げが落ちてきた。
― 売り上げが半分に激減したということですが、それまではだいたいどのくらいの売り上げがどのくらいまで落ち込んだんですか?
7,8年前までは月商1千万くらいでした。それが去年の前半は500万とか、ひどいときは300万くらいまで落ちましたね。
親父の会社を継いで18年になるんですが、10年くらい前までは母も一緒にやっていて、その母がすごい営業マンだったんです。それで仕事が取れてました。
チラシもやったんですけど、最初は2日間で180組も来たんですよ。対応できないですよね。でもその後を追いかけないから成約に結びつかない。
兄弟でやっていたので、経費もザルのように出て行ってしまって、そのうちに母も体が悪くなって営業ができなくなったらだんだん赤字に転落していったんです。
― 私のことはどこで知ったんですか?
最初は本屋で「なぜか挨拶だけで売れる本」を買って、それを読んで自己流で売り込みチラシを作ったんです。チラシと『あなたレター』を合わせたようなものですが、ミニコミタウン誌に毎月6000部入れて、そこそこ反応はあったんですけど、それもだんだんなくなって年に問い合わせが2~3件程に。
それに先生のメルマガもずっと読んでいましたし、セミナーにも参加して、疑いながらも何度も聞いていると「本当に効果があるのかな?」と思うようになって、モエル塾に入ることにしたんです。
― 他にも経営塾はいっぱいありますよね?どうしてモエル塾だったんですか?
他のところはお金を払わないと、出し惜しみするんですよね。でも木戸先生は、メルマガでも本当に革新的なことを全部ぶちまけられていて、それを利用させてもらおうかと。それにやっぱり先生がおっしゃる「ヒト」と「ヒト」関係が一番だと思ったので。
お客さんに会う時は、とにかく「笑顔になってほしい」と言うようにした。
― 実際にモエル塾に入ってみてどうでした?
最初はスカでした(笑)。もっと集客のテクニックを教えてもらえるのかなと期待していたんですね。でも、先生には徹底的に根本的なものを教えてもらいましたね。
「お客さんを喜ばせましょうよ」と言われた時「ん?」という感じでしたね。「どうして仕事で喜ばせられるの?」って。その時は仕事は嫌々やっていましたから。
でも先生を信用していましたから、やるしかない、と。「お客さんのために、お客さんが喜んでもらえるように頑張ります!お客さんの笑顔を見たいんです!」と、とにかく言うようにしました。最初は恥ずかしかったですよ。でも言い続けていたら4か月目くらいでだんだん慣れてきましたね。
― 最初は新規集客にこだわっていたのが、既存のお客さんがいいって変わりましたね。
家というのは一度建てたらリピートって考えにくいので、だから新規が欲しかったんです。でもふと考えたら、今のお客さんの8割が親父の代からのお客さんで、ちょっとしたことでも今でもいろいろと言って来てくれるんですよ。
だから家といっても仕事の範囲は広くて、昔は大きな金額が入ったらいいな、と思っていたんですが、今は10万でもいい。重なると馬鹿に出来ないですよ。
それにものすごく考え方が変わったのは、「お客さんの喜ぶ顔がみたい」と思うようになったからですね。
― 既存のお客さんから小さい工事の依頼があった時、すごく喜んでいましたよね?
お母さんと知的障害者の息子さんなんですが、僕に家に関係ないことまで言ってくるんです。昔は嫌だったんですけど、お客様インタビューをしてから、その気持ちがスコンと変わって、「そのお客さんを助けよう、直そう!」という気持ちになるんですよ。
その方からも「あんただけが頼みなんや、ありがとうな」と言われて、頼られることは嬉しいですね。
― 4000万の新築受注がありましたが、どんなきっかけで決まったんですか?
小さな工事をちょこちょこやらせていただいていたんですが、隠居の屋根を直す工事がきて、その時に下地にお客さんに「家を守ってくれ」というような言葉を書いてもらったんです。
その時に私は「幸せになっていただきたい」と繰り返し言っていたんです。そしたら向こうから「そろそろ家を建て直そうと思うんだけど」とお話をいただいたんですよ。
仕事に対する自分の気持ちが変わってきて、仕事も入るようになってきた。
― 今、『あなたレター』はどのくらい渡して、その中から何件くらい問い合わせがくるんですか?
150件くらい渡していますが、毎月20~30件くらい問い合わせがありますよ。ちょっとした修理とかも入れてですけど。
― 本当ですか? 反響率1/50をはるかに超えているじゃないですか!
修理はメーカーに振っちゃいますから、お金はうちには入ってこないですよ。
でもこの前、ボイラーの修理で職人が嫌そうに仕事をするから、その人を呼ばないで自分でメーカーに電話しながら修理してたんですよ。
そしたらお客さんの方から「もう、交換しようか」という依頼が来ましたね。
― 800万の増築のお客さんも今商談中ということですが
はい、その方は技術屋さんなので、すごく理屈っぽい人なんですよ。その方に「笑顔になって欲しいんです」と言っても「そんなのどうでもいいよ」と最初は否定されました。
でも私ができることと言ったら喜んでもらうことですし、それで「お前とは仕事をせん!」と決別してもいいや、と。主旨が合わない人と仕事をしても楽しくないですからね。
でもしつこく言い続けたら、最後には趣味の話をしてくれたりして、笑顔になっていただきました。お客さんもコストに対する考え方を変えていただけたんです。
― お客さんとの会話を全部、録音して送っていただいていましたが、最初はライバル社を批判するようなことを言っていましたね。
自分じゃ意識してないですけど、そうでしたね。
― でも今では本当に売れる営業マンだな、という感じで、人間本当にこんなに変われるんだな、とすごくびっくりしました。メンバーの中にも「俺はこんなに変われないよ」と思っている人が、「自分も変われるかも」と思えるきっかけになると思うんです。
ありがとうございます。
自分なりの仕事のペースが掴めるようなり、焦る気持ちがなくなった。
― 赤尾さんは足が悪いので、『あなたレター』の手渡しも普通の人の半分も行けないですよね。他にもお母さんの病院の送迎もあるし、時間がない中で、気持ちを切り替えて仕事をしているように感じるんですが・・・。
時間がないなら集中してやればいいし、自分ができる範囲のことをやらないと、人を喜ばすことはできないと思うんですよ。それでダメならそれでいいや、と。
むしろ開き直りですね。諦めるのと開き直りは違うと思うんです。
結果は同じなんですけど、気持ちが違うんですよ。
― 今年はどんな風にやっていこうと思っていますか?
変えないでやろうと思っていますよ。焦らないで自分のペースで喜んでいただける仕事をしたい。それで結果はついてくると思います。
― 1年前の赤尾さんのようにチラシをやっても、お客さんがどんどん減ってきている。何かあれもこれもやるんだけど、上手くいかないし、ホームページもイメージできない。そういう人にアドバイスをするとしたら?
私はたまたま木戸先生にお会いして先生の言うとおりに素直にやっただけなんですけど。
いい意味でのあきらめと開き直り、心に余裕を持つことですね。
― 赤尾さんがこういう悩みを持っている人はぜひモエル塾に入った方がいいよ、と思う人はどういう人ですか?
仕事が嫌で、仕事に意義を見出せない人ですね。
もちろん木戸先生も素晴らしくていろいろ教えてもらえるんですけど、他に仲間がいるのがいいですね。
「そういう人たちも同じ悩みを持っている、でも前を向いて頑張っているんだな」と、話を聞けるだけでも違うと思います。
― やっぱり一人では生きていけないからですね。仲間って重要ですよね。
今日は突然お伺いして、ありがとうございました。
こちらこそ、ありがとうございました。