「この家は金持ちだから」この要らない一言でキャンセルになりました

こんにちは! 
「きゃりーぱみゅぱみゅ」と言えない、
木戸一敏です(;^_^A

独立をして社員を雇用したことで
悩みが倍増してしまったという人から
どうすればいいか
という相談をいただきました。

これは、雇用したとき
誰にも必ず通り問題で、

上手く行くノウハウも必要だけど
それ以上にメンタル的なことが重要だと思います。

その説明をするのはちょっと難しいので(;^_^A
私の悲惨な体験を聞いていただいた方がいいかもしれません。

リフォーム会社を創った時の話を
2回に分けてお伝えしますね。

では、スタートです↓

「ここまでやってもダメなのは、
 せきることをしてこなかったからじゃないか」

独立してリフォーム会社を始めて、
まだ8ヶ月。

それなのに最初に用意した1000万の資金が、
あと3ヶ月で底を突くところまで減りました。

そんな状況に陥ったとき、
何が悪かったのか考えて出た答えがこれでした。

営業マンを募集して、自由に営業させる。

その形でやってきてわかったのは、
結局だれひとりとして、
自分の給料分すら利益を出せる人間がいないということ。

っぱり以前に勤めていた会社が
やっていたスタイルのとおり、
アポインターをやる人とクローザーをやる人と、
役割を2つに分けることが必要なのかもしれない。

ただそう思ったものの、
今いる5人の営業マンの中で、
クローザーを任せられる人間は残念ながら誰もいません。

その中で、強いて選ぶとしたら田中です。

成績はさっぱりですが、
リフォーム営業経験があったことと、
人間的には信頼できます。

でも、クローザーを任せても
契約に繋げられるかが心配です。

だからといってこのままだと、
あと3ヶ月しかもたないし、
田中に任せたとしても多分ダメだし、
どっちにしても、もうダメ・・・

「またゼロから始めるしかないのか・・・」

でも、くよく考えたら、
資金なし、経験なし、コネなしの
ないないづくしから始めた会社です。

だったら田中をクローザーにしてダメだったら、
またゼロからやり直しをすればいいし、

もし、やり直しをしたときは、
もう会社を創ろうなどとは考えないで、
一人でやっていけばいいだけの話。

このことに気づいたら気が楽になりました。

そして、田中をクローザーにすることを決めました。

「来月から、アポインターとクローザーを分ける体制に変えます。
 なので田中さんは、来月からクローザーでお願いします。
 佐藤と角田はアポ員として田中さんに付けるので、
 彼らを応援してあげてください。
 あとの2人は私が見ます。
 それと来月、新たに2人アポ員を募集するので、
 その人たちも田中さんが面倒みてくださいね」

そう田中に伝えて、課長の役職を付けました。

はっきり言ってこれはもう
賭けみないたものです。

資金があと3ヶ月しか残っていないところに、
田中に役職手当を付け、
さらに2人の営業マンを雇用するわけですから。

早速、求人募集をかけ2人の営業マンを採用。

田中をクローザーとし、
アポインターが4人の5人チームと、
私がクローザーでアポインター2人の3人チーム、
合わせて8人での新体制がスタートしました。

それまでは私自身も飛び込みをして
契約を上げていました。

それを新体制にしてからは、
自分単独で契約を取る活動は一切やめることにして、
2人のアポインターを代わる代わる営業同行し、
彼らを応援することに専念しました。

そして新体制がスタートして1ヶ月が経ちました。

私のチームは2件の契約で
700万円の売り上げを上げられたものの、
田中のチームはゼロ。

がっかりした田中の表情を見たとき、
やっぱり彼には無理かもしれいと思いました。

「4人もアポ員がいるのに売上ゼロで申し訳ないです」

田中は私に頭を下げます。

「いや、田中さん大丈夫ですよ。
 まだ1ヶ月目なので全然心配ないですよ」

田中にクローザーは無理と思いながら
そう軽く言えたのは
この体制に可能性を感じたからです。

私がクローザーとしてやっていけば
会社として売り上げを上げられるのではという感触をつかめたのと、
700万円の契約が取れたことで
会社の寿命が、少し伸びた安心感もありました。

ところが、とんでもないことが起きたのです。

契約なった2件のうち1件が工事着工2日目になって、
突然キャセルの電話が入ったんです。

その売り上げは500万円。

私は即、アポインターの本間を呼んで、
そのお客さん宅に一緒に伺いました。

「お宅の会社は信用できないからキャンセルさせてください。
足場代はきちんとお支払いしますので、早く片付けてください」

この一点張りで、キャンセルの理由を教えてくれないまま、
キャンセルを受けことになりました。

正直、500万円のキャンセルは痛い。

この500万円の売り上げがあったから
会社の寿命が延びたわけで、
これがないと会社は、あと3ヶ月の命ということになります。

「こんなでこんなにツイテないのか・・・」

一気にやる気を失せたというか、力が入らなくました。

そのお客さんの工事を担当していた職人に事情を話し、
工事の中止を伝えました。

すると、とんでもない話を教えてくれました。

「社長、もしからしたらそのキャンセルの原因、あれかもよ」

「何ですか?あれって??」

「いやね。養生をしているとき本間さんが来てね。
 『この家は金持ちだからドンドン追加出てくるから楽しみにしてね』
 なんて言うから『おいおいおい、声デカいよ』って言ったんだけどね。
 もしかしてそれが、聞こえちゃったのかもしれねえな」

この話を聞いて、契約が取れて有頂天になった本間が、
いらないことをベラベラしゃべっている姿が浮かびました。

「あの野郎!!!」

次号につづく