「仕事させて下さい」その田中の想いに私が欠如していた売り上げアップのマインドを発見

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こんにちは!
クリスマスプレゼントで子供にあげた「ペットボトル野菜栽培セット」が
すくすく伸びる様子を見るのって意外と楽しいことを知った、
木戸一敏です(^^

前号からの続きです。

前号はこちらで読めます⇒ http://amba.to/VV6229

資金があと3ヶ月で底を突くという状況で
500万円のキャンセル。

「こんなでこんなにツイテないのか・・・」

一気にやる気を失せたというか、
なにをするにも力が入らなくました。

そのお客さんの工事を担当していた職人に事情を話し、
工事の中止を伝えたところ、とんでもない話を教えてくれました。

「社長、もしからしたらそのキャンセルの原因、あれかもよ」

「何ですか?あれって??」

「いやね。養生をしているとき本間さんが来てね。
『この家は金持ちだからドンドン追加出てくるから
楽しみにしてね』なんて言うから
『おいおいおい、声デカいよ』って言ったんだけどね。
もしかしてそれが、聞こえちゃったのかもしれねえな」

この話を聞いて、契約が取れて有頂天になった本間が、
いらないことをベラベラしゃべっている姿が浮かびました。

「あの野郎!!!」

職人との電話を切ったすぐあと本間に電話をしました。

「おい!本間!!お前、現場で変なこと言ってたんじゃないか!?」

「あ~、いや、すみません。契約が取れて嬉しくて、
つい変なこと言っちゃったかもしれません」

「変なこと言っちゃったかもじゃないんだよ!!」

私一人だけでもう一度お客さん宅に伺い、
「もしかしたら弊社の本間が失礼なことを
言ったのではないと思いまして」
と聞くとやっと口を開いてくれました。

しかし、私がどんなに頭を下げてもお客さんは、
相変わらず「キャセルしてください」の一点張り。

もうこれは諦めるしかありません。

次の日、本間は無断欠勤、
結局その日から姿を消しました。

なんだか一気に疲れました。

やっぱり人を雇うのは面倒なことばかり。

自分ひとりでやった方がよっぽど稼げるし、
気軽でいいし、よっぽどまし。

なんで俺が頭を下げないといけないの?
なんでみんなの給料計算して銀行に給料振り込んだり
伝票切ったりこんな面倒なことやんないといけないの!

やめたやめた!!やめよう!
もうこんな面倒くさいことやってられない!!

明日私は、解散することを
みんなに告げることを決めました。

そして次の日の朝、いつものように私が一番で出社すると、
田中が出社してきたした。

田中に解散の話をしようとしたとき、
田中が先に口を切りました。

「社長、これ以上、会社に迷惑かけれないので、
今月もタコだったら私をクビにしてください。
今月その覚悟でやりますので、よろしくお願いします」

この田中の言葉を驚きの気持ちで聞きました。

課長という役職づけをしただけで
私は何も期待しなかったのに、
しっかり責任感を持ってくれていたんです。

「なにもかも上手く行かなかったのは、
もしかしたら部下を信じて任せきることを
してこなかったことかもしれない」

私は田中課長に任せきることを決心しました。

そして2ヶ月目の結果がでました。

会社全体の売り上げは530万円でした。

そのうち田中のチームの売り上げは
40万円と奮わなかったのですが、
見込みの数は先月の6倍に増えていました。

「もしかしたら行けるかもしれない!」

そんな予感が、田中課長の行動と表情から伝わってきます。

そして、新体制3ヶ月目が終わりました。

その結果はなんと!
売り上げは初めて1000万円を突破!!

その内、田中課長のチームの売り上げは
600万円を超えました!

さらにそれから1年半後、
売り上げは月平均2000万円以上になり、
年商3億円を売り上げるようになりました!!

その前までは、どうしたら1億円という売り上げになるのか
全くイメージできなかったものが、
僅か1年半でゆうに年商3億円を超えたのです。

ひたすらがむしゃらにやってきて、
「今月は何とか黒字だった」という気持ちの連続で、
ここまで伸びてきたので
「3億円になった!」という実感はありませんでした。

ただ私の中で強く実感できていたの
は田中課長の自信でした。

田中課長のチームだけで月の売り上げは、
1500万円超をすることが何度もあり、
彼がどんどんみんなを引っ張っていくように
変わっていったのを直に見てきました。
中でも印象に残っているのが、お盆休みのときです。

お盆も3日だけ出社したいので、
その許可が欲しいというのです。

「部下の斉藤が先月と今月と
まだ契約が1件も取れていないんです。
あいつも家庭があって病気のお母さんのことで
いろいろお金がかかるので焦っていて、
あいつ必死なんです。
今、見込みがいくつかできているので
3日だけ仕事をしたいんです。
あいつのためにも3日だけ
会社の車を貸してもらえませんか」

この訳を聞いたとき、
そこまで人のことを考えられる田中に感銘しました。

凄いと思いました。

「人間こんなにも変われるもんなんだな」

それと同時に、会社を起こしたものの
上手くいかなかった原因が、
自分の中ではっきりしました。

契約を取ってくるかこないか、
これだけで人を判断していたんです。

私には、人のことを考えることが
欠如していたことを田中課長に気づかされました。

重要な売り上げアップのマインドを忘れていたんです。

「これじゃ上手くいくわけがない」

自分自身が情けなくなりました。

でも、これを機に自分も変わろうとそう思いました。

人のことを考えられる人間に。

以上2回に分けてお伝えしました。

今回の内容は
「独立をして社員を雇用したことで
悩みが倍増してしまった」
という相談をいただき、
その悩みを解消するきっかけになればと書きました。

理屈や方法論より
私の実体験を公開した方が
伝わるのではと思い
私がリフォーム会社を立ち上げた時の
情けない話を書きました(;^_^A
(登場する人物名はすべて仮名です)

▼今日の“みとめ”チェックポイント

『焦ったときこそ上手くいかない時こそ、人を想う気持ちを忘れない』