リピート紹介30%が12ヶ月で100%になった!最強ツールの手渡し法

春永氏と木戸のインタビュー トップ

チラシやイベントでの集客が思うようには伸びず最強ツール作りを始めた春永さん。最初は苦労しながら作っていたものが、あることに変えてから楽しく思えるようになり、手渡しすることで、いろんなエピソードを盛り込めるようになった。
それがなぜリピート紹介率が100%になったのか?春永卓也さんに伺う。

目次

会社設立5年目まではチラシやイベントで集客していたが、あまり利益はなかった。

― 会社を設立して8年目ということですが、設立当初はどうやってお客さんを集めていたんですか?

前に住宅会社に勤めていたので、その時の取引先に挨拶に行って、そこから1年くらいは(その時のつながりのお客さんが)ちょこちょことありました。
初めはドキドキして何をやっているか分からない状況が2~3年。知らない間に1年たち2年たちという感じだったんですけど、5年目くらいに「これではいけないんじゃないか」と思いまして、チラシをまくことにしたんです。

― チラシはうまくいったんですか?

春永氏と木戸の対談

初めはすごく良かったです。一発目のチラシがすごく反響が良かったので、これで10年くらいはいいかな、と思ったんですけど、2回目からは激減しまして。

― 最初はどんな反響があったんですか?

ポスティング業者に頼んで、5万部くらい配ったんですけど、次の日の朝からバンバン電話が鳴ったんですよ。
3000分の1くらいかかってきて、売上げも良かったですよ。

― でも2回目のチラシは、そんなに反応がなかったんですね。

はい。100万くらいの売上げはあったんですけど、利益が20万くらいでチラシ代が30~40万かかりますから、逆に赤字ですね。3回目のチラシもやったんですけど、同じような感じでした。

― それから何をやったんですか?

ショールームでトステムさんの水回りのイベントをやったんです。7万部チラシをまいて、55組がイベントに来て、契約は5組くらいあったと思います。
その時は大成功でしたので、2回目、3回目とまたイベントをやったんですけど、その時は1回目ほどは売上げはなかったです。
(イベントは)水ものなので、これをずっとやっていくんだろうか、と不安になって、それに初対面の人と話すのは苦手なので、すごくストレスを感じてしまって。

セミナーに参加して、『あなたレター』を作ることを決心した!

― それから『あなたレター』を作ることにしたんですね。

先生のセミナーに行ったんですよ。その時に「これだ!」と思って、入会させてもらって、『あなたレター』を既存のお客さんに配ったんです。その時は90部くらい手渡しで配りました。
でも、何も起きなくて、「果たしてこれで効果がでるんだろうか」、と不安になりましたね。
でも1年くらいは『あなたレター』を作ったんですけど、ワードで作っていたのでものすごく難しくて、そっちの方がだんだんストレスになってきて…。だから、手書きに変えたんです。

― 手書きに変えてからお客さんの反応は変わりました?

写真も自分で切って貼るようにしたので、作るのが楽しくなってきたんですよ。だから、お客さんの反応は少しですけど、だんだん変わってきました。
(あなたレターを)お持ちした時に、「はいはい」と言っていた方が「楽しみにしてるよ」とか「ありがとう」とか言ってくれるようになりましたね。
忙しくて手渡しするのが遅れたりすると、「先月号が来なかったので心配してました」とか言われたり…

― お客さんの声かけが変わってきたんですね。それで売上げとか問い合わせはどうだったんですか?

「前からお願いしようと思っていたんだけど…」というのが少しずつ上がってきています。金額の大小はありますが…

― 手書きにしようとか手渡ししようとか思ったのは、なぜですか?

春永氏とあなたレターと木戸

手書きの方が自分が楽なのと、その方がお客さんにもインパクトがあって、受け入れられるのかな、と思ったんです。
手渡しは、そちらの方が誠意が通じるかな、と思いまして…あと、行ったときに何か声がかかるんじゃないかと。それにアフターメンテナンスに全然行ってなかったので、すごく抵抗がありましたけど、この際、目をつぶって行ってみようと思って。
今まで、リフォームをしてもらったお客さんに、それきり連絡もしてなかったし、定期巡回とかアフター訪問も無しで、これではいけないと思ったんです。
でも、意を決して行ってみたら、ひどいクレームはほとんどなかったですね。

― そういう活動をしていったら、リピート紹介が出てきた、ということですね。

そうですね。紹介のお客さんだと相見積もりもほとんどないですね。

実際にお客様とのエピソードを盛り込んで、作ることが楽しくなってきた!

― 春永さんの以前の『あなたレター』は“文章を作るんだ”、という意識で書いていたのが、今は“こんな面白いことがあったから”というのを『あなたレター』に表しているという印象ですよね。

その中でも素晴らしいと思った記事があるんですが、お客さんの家にあなたレターを手渡しに行ったら、元気がなかった。それで元気を出してもらうためにどうしたらいいか、というような話がありましたよね。

あれはおばあちゃんが手術をされて退院をして療養されている時で、何かお見舞いをしたいなと思ったんだけど、何をしていいかわからない。それで、職人たちと会議をして、一番お金がかからない方法で、みんなで寄せ書きをしようと14人くらいで書きましたね。
そしたら、すごく喜んでいただいて、持っていった私たちの方も嬉しかったんです。
そんなに喜ばなくてもというくらい、喜んでくれたので。

― その話をそのまま『あなたレター』に載せているのがいいんですよね。そういういきさつや職人さんの写真や寄せ書きを渡している写真があって、すごくシンプルなんですけど、共感する事実があって、そんな『あなたレター』というのはいいですね!

そういう方が楽というか作りやすいし、楽しいですね。

― あと案内状を作る時に、魚を焼いていただいたお話も素晴らしかったです。

キッチンをリフォームしたお客さんにお願いして、魚をお持ちして焼いていただいたんです。その時にご主人にどうしてリフォームを決心したのかインタビューをしたら、奥さんが料理がお好きだから、ご主人がサプライズでねぎらいの言葉の代わりにキッチンのリフォームをプレゼントされたというんです。
優しいご主人でいい話だな、と思いまして、案内レターに載せたんですよ。自分の気持ちが入るのと入らないとでは、(作る)早さが違いますね。パパパっとできました。

― 今の話は共感があったと思うんですね。

春永氏のあなたレター.jpg

よくマーケティング的に反応率を高くするために、チラシなんかにお客様の声を入れましょう、というノウハウがありますが、それは、あなたが売りたいがための手段のようだけど、春永さんのは、ご主人が奥さんを喜ばせようと思ってリフォームした。その話で春永さんの心があったかくなって、それをそのまま載せてますよね。

そういう案内状は、すごく伝わるようなツールになっていると思うんです。

ご主人も奥さんもすごく喜んでくれて、実名が入っているので怒られるかと思ったんですが、「名前が入ってなかったら、知り合いが見てもうちだと分からないから(実名が入っていて)良かった」と言ってくれて、ものすごく協力的ですごく仲良くなりました。こちらもやって良かった、と思いましたね。

「手渡し」することでエピソードが生まれ、「人」にフォーカスしたレターになった!

― 重要なことはなぜリフォームをやろうとしたのかを知ろうとすることだと思うんです。だから、春永さんは「奥さんを喜ばせようと思った」ということを聞くことができた。

そしたら、新しいお客さんにも「なぜリフォームをやろうと思ったんですか?」と聞くことができて、そうしたらそれを目的としたリフォームに変わりますからね。
それを聞いてないと、ただ単にキッチンを納めただけで、それじゃ、「モノ、コト」を納めただけで終わり。でも、奥さんを喜ばせたいから、という理由を聞いていたら、それが実際にできたかどうかじゃなく、「これで喜んでくれますかね?」とお客さんを気にかけてくれたということで、全然仕事が変わってきます。

やっている時はそこまで思ってないんですけど、とにかく「人」というのを頭に入れて、お話するようにしていています。

― チラシとかホームページとか案内状とか販促ツールとか、そこに書いてある情報が売り手側だけの情報だとすると、それは伝わらないと思うんです。

それが春永さんの案内状は、買い手側の情報がほとんどの案内状ですよね。お客さんにも喜んでもらって、そういうものって今まであまりないですからね。

お客さんも正反対の反応で、昔はチラシに載せる写真を頼んでも断られていたんですけど、今は「載せてくれてありがとう」と言ってくれる。こちらもやっていて楽しいし、お客さんが喜んでくれて嬉しかったです。

― 『あなたレター』を始めて前半の1年は苦しみながら書いていて、後半になって手書きにして自分も楽しめるようになった。その結果、リピート紹介が100%になった。売上げは変わらないけど、利益は上がった。数字的にはこういう変化があったんですけど、春永さんの気持ちの変化というのはどうですか?

手書きに変えて、雰囲気的に反応が良くなったので、自分もお客さんのところに行くのがストレスがなくなった、前向きになりましたね。

― 『あなたレター』を出しても何も変わらない人と、注文が来る人と、そこに違いがあるんです。お客さんのところに行くのに抵抗があるというのは、自分で壁を作っているからで、お客さんにもそれが通じていて、声がかけられない。

春永氏と木戸の腕相撲.jpg

『あなたレター』も壁があるというメンタルで作っていると、上手くいかない。春永さんはその壁が取れちゃっているので、上手くいくんですよ。

あんまり楽しそうにしていると、仲が良くないお客さんに持って行っていいんだろうか、と思う時もありますけど…「自分の時はこんな感じじゃなかった」と文句言われそうで。

― 楽しんでいることに対して否定的に思う人と仕事をすると、トラブルの元だし、そういう人にフォーカスするんじゃなくて、明るくなった春永さんを「面白い」と言ってくれる人にフォーカスして『あなたレター』を出していけば、広がりが出てくると思いますよ。

一部の方を気にしていたら、何もできないので、こちらを向いてくれる方のために作っています。

― 中には『あなたレター』を郵送するだけで反応を得ている人もいますが、それは壁がない人なんです。自分の中で壁を作ってない、ホントにお客さんとつながっているというメンタルになっていれば、郵送だけでも反応が得られるんです。

ただ、先ほどの案内状のように、お客さんのところに行くと、エピソードが生まれるんですよ。エピソードも作ることができますので、お客さんに喜んでもらうようなしかけをどんどん作っていると、面白い『あなたレター』ができるし、ネタも生まれるんですよ。

ぜひ、この春永さんの話を聞いていただいて、モエル塾メンバーのみんなが既存のお客さんに仕掛けをして、楽しい『あなたレター』や案内状ができればと思います。
春永さん、今日はお忙しい中、本当にありがとうございました。

こちらこそ、ありがとうございました。