「絶対お願いします」と言わせた5年がかりの『あなたレター』その真相は、やる気がなかった?

『あなたレター』を発行するということは、自分の顔はもちろん、自分のことをさらけだすこと。このことにすごく抵抗があって、5年もの間、『あなたレター』を出すことに躊躇していた。
それがいざ発行してみると、素晴らしい出来の『あなたレター』になり、仕事も舞い込んできたという。その秘密を岩波久雄さんに伺う。

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仲間を求めてモエル塾に入り、同じ立場の人たちとの付き合いが心地よかった。

― 岩波さんと私は、ホームページを作っていただいたのがきっかけで知り合って、その縁でモエル塾に入ったんですよね?

6、7年前になりますね。沼田さん主催の商材を作成するセミナーに木戸さんがいて、その懇親会で対面に座ったのが縁ですね。その時木戸さんが「田んぼに冬、水を入れてやるやり方ってできるんですか?」ということを聞かれたんですよ。だから近所でそういう田んぼを作っている人を探したら、近くにいたので、それじゃ来てもらおうと思ってメールを送って、田んぼの持ち主を紹介したんです。
その時にホームページの話もして、それがきっかけでモエル塾や営業トークのホームページを作ったんですよ。

― モエル塾をスタートする前からのお付き合いですけど、モエル塾に入ろうと思ったきっかけは何ですか?

木戸さんは会った頃は(自分は)小心者とチラチラ言ってましたよね?自分もそうなので、そこに共感できたし、モエル塾に集まってくる人は、人想いで人がいい方が集まってくるので、そういう人たちとお付き合いできるのも楽しかったです。
それにモエル塾は経営者の人が多いし、モエル塾の中に入って「ヒト対ヒト」関係を意識するようになったし、とても居心地が良かったんです。

― 仲間を求めていたんですか?

そうですね。勉強会でも顔を会わせるし、スカイプで実際に会ってなくても会えるというか、近所の人よりも掲示板とかスカイプで深い仲になれるんだな、と思いました。

― 実際に入ってみて、どうでした?

 モエルにはいろんなツールがありますけど、それを見ていたら、集客するよりも既存のお客さんを大事にするほうが大切だということがよくわかりましたね。
前はクライアントさんのホームページを作るにしても、いいキャッチフレーズとかいい文章を作り出さないといけないんじゃないかと勘違いしていたんです。
集客できないのは、自分のアドバイスと力量がないせいだと。
でもモエルの教科書を読んでいたら、要はお客さんとの関係をよくして、お客さんからいろんなことを聞きだして、聞き出したその言葉の中から出たキャッチフレーズや文章じゃないと(心に)響かない、ということが分かったんです。
ある方のホームページを作る時にも、人間味がないページだったので、「シンクロストーリーを作りましょうよ」と言って、それを載せて、社長さんや店長さんの顔も出して、検索エンジン対策をしたら、月の売り上げがそれまで5万だったのが、200万まで上がったこともありました。

ネット上でコミュニケーションを取り始めたが、『あなたレター』にはまだ抵抗があった。

― そういう風にモエルのメソッドが岩波さんのホームページ作成業にも生かされたんですけど、岩波さん自身は自分の顔を出すことに抵抗があったんですよね。

顔どころか自分の文章をネット上に出すことにも抵抗がありました。
mixiに入っていたんですけど、始めは自分の写真を貼るのが嫌だったので、似顔絵でしたね。でもmixiは登録した人しか見ないので、敷居が低かったし、ダイヤモンドプロジェクトの人で何人かよさそうな人だけ、マイリンク登録をして、やり取りをしていました。
それでコメントをもらったりすると嬉しくて、これがネット上のコミュニケーションなんだな、と分かったんです。

― mixiで後半は顔をだすようにしたんですか?

自分は農家と兼業しているんですが、“田んぼの中のウェブプロデューサー”と名乗っていたので、田んぼに机とパソコンを持っていって、写真を撮りました。ネットでコミュニケーションするというのがわかってきたし、だんだん楽しませようと(思いましたね)。
そして地元で同業者とブログのセミナーをやっていたので、mixiをブログに移行したんです。でもブログのほうには、写真は顔をぼかして出していました(笑)。

― ブログにどんなことを書いていたんですか?

パソコンやネットやブログで、クライアントさんが自分に分からないことを質問してきたことに対して答える感じです。あと、自分でネット上で面白い道具やツールを見つけたら、それを教えるようなブログです。

― ブログを始めたときは『あなたレター』の存在を当然知っているんですよね。でもそれはやってなかったんですよね?

自分のクライアントさんというのは20人以下なので、20人以下の人にわざわざニュースレターを出しても毎月続かないし、お客様事例にしてもインタビューできる人は5軒ぐらいしかいないな、と思ったので、5号で終っちゃうな、と思っていました。
とにかく面倒だし、始めるのはいいけど続けられるかというのが一番嫌だったですね。
実際にブログでもmixiでも始めた人の7,8割は止めているんじゃないですかね。
だから『あなたレター』を出しても続けられるかな、という不安の方が大きかったので、それが出したくない最大の理由でした。

心機一転、今年は『あなたレター』を発行しようと挑戦したら、意外と簡単だった。

― そんな岩波さんが5年目にしてなぜ急に出そうと思ったんですか?

今年から農業の収入よりホームページの収入の比率の方を増やしたいな、と思っているんですよ。農業の収入も落ちてきて、母もだんだん高齢になってきましたから。それにホームページ作成業をやっているのに、自分のホームページをまだ作ってないんですよ。このCDが配られる頃には完成させたいな、と思っているんですが、今年は口コミだけじゃなくて、ホームページとか『あなたレター』から紹介してもらえるように、新規のお客さんも増やしたい、と思ったのが一つ。
2つ目がモエルの勉強会に年に2回出るんですが、その時に小倉さんからのメールに「『あなたレター』を持ってきてください」と書いてあるので、それじゃ、いいタイミングだから、『あなたレター』を作ろうと。
あともう一つは、モエル塾の教科書とCDを聞いていたら、『あなたレター』はうまく作らなくていい、と言っていますよね。書く内容もささいなことでいい、と。それだったらブログの1記事を『あなたレター』にすればいいと思ったんですよ。
出すならA4サイズ1枚の表面だけでいいと思っていたので、「だったら楽勝じゃん」と思って、作ってみようと思ったんです。

― 岩波さんが『あなたレター』の創刊号を送ったら、なぜかTさんから私のところに電話があって、絶賛したんですよ。どうしてTさんはそこまで絶賛したんだと思いますか?

『あなたレター』のメソッドというものがあるとしたら、かなり忠実にやっているからだと思います。実は西垣さんがだしている「2×4=通心」の過去のヤツを見て、これと似たように作ればいいな、と思って作ったんですよ。
タイトルとか文字のフォントとか真似させてもらったし、挨拶のところは括弧書きでしゃべっているようなセリフを入れるとか、季節の挨拶のところも自分のことなんだけれども、「~~しないでくださいね」とか・・・

― さすが『あなたレター』のセミナーに4回も出ていると、掴んでいますね。

出来事のところにもなるべく会話文を入れて気持ちが出るように、とか、写真も大きいのや小さいのを入れたりして、メリハリをつけるとか、強調は3箇所か4箇所ぐらいにしてあとは下線を入れるとか、ですね。キャプションも面白くしようと思って、直感的に思ったことを入れる、というのも西垣さんのメソッドですよね。

― 今の中で、『あなたレター』で上手くいく人で共通にやっていることを言ってましたね。「西垣さんのをモデルにした」って。ここがかなり重要なんですよ。上手くいかない人って自己流で全部自分で0から作ってしまうんですよね。そうすると、『あなたレター』でないものが出来上がってしまう。

だから、上手くいっている人の『あなたレター』を真似してモデルにするのがポイントなんですよ。

そうですね。だから、自分は時間がかかったけれどそんなに苦労はしなかったですね。

手書きでゆっくり丁寧に書いたあいさつ状が、人の心を動かした。

― 私は他にTさんが唸ったわけはあいさつ状にもあると思うんです。すごく丁寧に書かれていますよね。まさしく魂を込めて書いたという感じ。このあいさつ状に私はすごくインパクトを感じました。

あれは、ワープロで表題に使おうと思ったフォントで1回印刷をして、それを見ながら手書きで書いたんですよ。
いきなり書いてしまうと間違ってしまうので、やり直ししないでいいように見本をみながら書いたんです。それにゆっくり書かないと、字が下手なので・・・。

― 字が下手とか上手いとか関係ないんですよ。下手でもいいから、時間をかけてゆっくり丁寧に書くとそれが伝わるんです。いろんなトークを駆使するのも大切なんですけど、文字を丁寧にゆっくり書くだけで人の気持ちをそこまで動かすなら、そっちの方が楽ですよね。これはすごくいい見本だと思いました。

私はこのCDで一番伝えたいのは、実はあいさつ状なんですよ。ああいうあいさつ状は初めて見たので、これはやっぱりいいな、と。

パソコンの時代だから、かえって手書きがいいんですよね。

― 『あなたレター』の中に、タイトルに入れるとかして手書きの部分があるとホッとしますね。でも欲張ると続かなくなりますから、気が向いた時に残暑見舞いとか、改めて書くというのもいいかもしれないですね。

ところで、岩波さんは克服したわけですけど、顔出しや自分を出すことに抵抗があるという人にどんなアドバイスをしますか?

いっぺんには難しいと思うので、少しずつやっていけばいいんじゃないかと思います。
他にも、気が向くまで出さなかったと方もいましたよね。あと保険屋さんの矢部さんも17ヶ月かかった、と。自分も5年かかりましたからね。
モエル塾に入っていてCDを聴いたり、勉強会に出たりしていたら、やりたいと思う時がくるから、その時にやった方が反応のある『あなたレター』を作れると思いますよ。

― 『あなたレター』を出すのに抵抗があるんだったら、さっきのあいさつ状だけでもいいかな、と思います。葉書の後ろに「いつもお世話になっております」とか「暑中お見舞い申しあげます」とか、ゆっくり丁寧に書くこと、そこからのスタートでも十分にいいと思います。それは岩波さんのあいさつ状がヒントになりましたね。

木戸さんのメルマガでも、ポッドキャストでも、あとは教科書を聞いていたら、たぶんやりたいなと思いますよね。

― 『あなたレター』に限らないで他のツールでもモエル塾にはいろんなメソッドがありますから、「奇跡の物語が1年もモエル塾にいるのに出来ない」とか「案内レターはまだまだできない」とか、心配する必要はなくて、モエル塾にいれば、いつか出来ますから。

逆に岩波さんの5年の記録を破る人がいたら、またそれはそれで勇気になります。

岩波さん、今日はお忙しい中、本当にありがとうございました。

こちらこそ、ありがとうございました。